■TukTuk Race~東南アジア気まま旅


藤河 信喜
(ふじかわ・のぶよし)



現住所:シカゴ(USA)
職業:分子生物学者/Ph.D、映像作家、旅人。
で、誰あんた?:医学部で働いたり、山岳民族と暮らしたりと、大志なく、ただ赴くままに生きている人。
Blog→「ユキノヒノシマウマ」





第1回:Chungking express (前編)
第2回:Chungking express (後編)
第3回:California Dreaming(前編)
第4回:California Dreaming(後編)
第5回:Cycling(1)
第6回:Cycling(2)
第7回:Cycling(3)
第8回:Cycling(4)
第9回:Greyhound (1)
第10回:Greyhound (2)
第11回:Greyhound (3)
第12回:Hong Kong (1)
第13回:Hong Kong (2)
第14回:Hong Kong (3)
第15回:Hong Kong (4)
第16回:Hong Kong (5)
第17回:Hong Kong (6)
第18回:Hong Kong (7)
第19回:Hong Kong (8)
第20回:Hong Kong (9)
第21回:Hong Kong (10)
第22回:Shanghai (1)
第23回:Shanghai (2)
第24回:Shanghai (3)
第25回:Shanghai (4)
第26回:Shanghai (5)
第27回:Shanghai (6)
第28回:Shanghai (7
第29回:Shanghai (8)
第30回:Peking (1)
第31回:Peking (2)
第32回:Peking (3)
第33回:Peking (4)
第34回:Peking (5)


■更新予定日:毎週木曜日

第35回:Peking (6)

更新日2006/11/16

桂林へ旅立つ前に、万里の長城へ向かった。長城と一言でいっても、現存する城壁はかなりの広範囲に渡っており、中には現地の人間がそれを長城とは知らずに、崩しては持ち運んで、自分の家を建てたりしているところもあるらしい。 

自分たちが向かったのは、それなりに観光地化された長城で、清代以降荒れるがままに放置されていた長城をかなり修復した場所であった。

ローカルバスに乗って約2時間半ほどで、小さな町へ到着する。そしてその町からさらに乗り合いの小さなタクシーに乗って、目的の長城へ向かうことになった。 

このバスを降りたところで、この旅で初めて他のバックパッカーと連れ立つことになったのだが、このタクシーに同乗した女性二人組のうちで、スイスから来ている方がかなりの変わり者でとにかく閉口した。

長城へ着くまでの30分ほどの間、何を言っているのやらまったく的を得ない会話を延々と繰り広げ、目の前に座っているタクシーの運転手は現地の中国人なのにも関わらず、平気でいかに中国人が傲慢で低俗な民族であるかを説く。

これには参ってしまったが、長旅でおかしくなったのか、薬でラリッているのか分からない人間の相手をまともにするのは馬鹿馬鹿しいので、そのまま放置することにした。案の定、連れのカナダ人女性もこんなことには慣れっこになっているらしく、スイス人女性一人が白昼夢の大演説を繰り広げる中、運転手を含めた我々4人は無言のドライブが続いた。

…つづく

 

 

第36回:Peking (7)