のらり 大好評連載中
2025/12/18掲載

■新・汽車旅日記
~令和ニッポン、いい日々旅立ち
 
第752回「福滋県境 鉄道遺産回廊 - 旧長浜駅舎 -」 
up
小松駅に戻ってレンタカーを返し、19時11分発の特急しらさぎ16号に乗った。すっかり日が落ちて景色も見えない。少し疲れたのでシートを深く倒し目を閉じる。福井、敦賀と主要駅に停まったはずだが覚えがない。私は意識の有無の境界を行ったり来たりしていたようだ。この列車は名古屋まで走るけれども、私は途中の長浜駅で降りた。明日は長浜の鉄道遺跡を訪ねる予定だから、この列車は都合がいい。しかし、北陸新幹線が敦賀まで延伸すると、おそらくしらさぎは廃止、あるいは運行区間を名古屋~敦賀間に短縮されるだろう。北陸新幹線の敦賀~新大阪間はやっと概略ルートが発表されたばかりで、これから環境アセスメントが始まる。特急サンダーバードのルートを新幹線化するならば、特急しらさぎのルートも新幹線にすべきだろうと思う。敦賀~米原間は北陸新幹線のルートとして検討されたこともあるけれど、こちらは本来、基本計画路線の「北陸・中京新幹線」が取るべきルートだ。すぐにでも…

杉山 淳一

杉山 淳一     

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2025/12/04掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第517回「流行り歌に寄せて No.312「母に捧げるバラード」~昭和48年(1973年)12月10日リリース」 
先日、高校の最後の同窓会があり、愛知県の春日井市に行ってきた。そして、同窓会の翌朝には母校の新築中の校舎を見学してきた。校舎はもちろんだが、学校のまわりにある店などは、在学中とは大きく変わっていた。おそらく、50年余りの間に、何代も店は変わってきているのだろう。 この『母に捧げるバラード』は、卒業間近に学校の近くの喫茶店か、あるいはマーケットの一角にある、私たち高校生相手にジュース・コーラなどを売り、それを飲むための簡素なベンチが三つほど設けてあった店のラジオで、初めて聴いた。 まず印象に残ったのは、当時はまったく耳に馴染みのない博多弁の台詞である。それを今まで聴いたことのない男の歌手が、ただ叫んでいる。歌なのに、歌っているのはほんの少しで、延々と台詞が続く。最初は、フォーク・ソングとも判らず、何だか妙な「曲」だと思っていた。そのうち、どうやら「海援隊」というフォーク・グループの…

金井 和宏

金井 和宏   
   
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2025/12/18掲載

■西部夜話
~酒場サルーンと女性たち 

第22回「酒場サルーンと女性たち その22」

■デッドウッドの娼婦、ドーラ・ドフラン up
コロラドの金鉱山の町クリップル クリークを取り上げた以上、もう一つ西部開拓史上に名を残す金鉱山の町、デッドウッドを取り上げないわけにはいかない。デッドウッドは、現在の南ダコダ州にある。金鉱ブームに沸いた時はララミー砦の協約によりスー・ラコターインディアンの居留地区だった。それを金鉱発見とともに白人どもは協約を破り、ラコタインディアンから取り上げてきた醜い史実がある。デッドウッド、死んだ木、枯れ木、という町の名前からして西部開拓時代を彷彿とさせるではないか。町の名での一方の雄はOK牧場の決闘があった“ツムストーン”だろうか。デッドウッドはスー・ラコタインディアンの聖地ブラックヒルズにあり、合衆国政府はそこに金鉱が発見されるや、恥も外見もなく次々と条約を破り、格段に小さくしたインディアン居住地を設けた新しい条約を結び、またそれも無視、破り、さらに縮小したインディアン居留地区を設け、そこに…

佐野 草介

佐野 草介  

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2025/12/18掲載

 

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第929回「カリブの海賊とベネズエラ戦争?」up

“カリブの海賊”という映画がジョニー・デップ主演で大ヒットしたことがあります。およそ逞しいイメージとはかけ離れた、どちらかといえばナヨナヨした性格俳優を主演の海賊キャプテンにし、それがまんまと大当たりを取った映画です。近年、海賊といえば“ソマリアの海賊”が、今時そんなことができるのか、可能なのか、と世界中を驚かせました。何しろ、ソマリアの海賊は木造でデッキのない、大型の漁船に大きめの船外機を付けたタダの船で何千トン、何万トンという大型の貨物船、タンカーをハイジャック、ではなくシージャックし、巨額の身代金をせしめています。 普通の貨物船、タンカーなどは兵器を積んでいませんから、ソマリアの海賊が手カギの付いたロープを伝って大きな船のデッキに上がり込めば、もうそれで乗っ取りは完成したもののようです。彼らの自動小銃の前で巨大な船の船員たちはお手上げでした。 私たちは小さなヨットでカリブ海クルーズを満喫しましたが、その当時、コロンビア沿岸に…

グレース・ジョイ

Grace Joy(グレース・ジョイ)
      
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2025/12/11更新

■鐘を鳴らそう 鳴らせば鳴る鐘が、まだあるのだから ~音羽信の心に触れた歌たち~
第15回「ギミー・シェルター by ザ・ローリング・ストーンズ」
 
たしかに戦争は、たった一発で始まる。いつだってそうだった。ちょっとしたアクシデントからだろうと、頭に血が上ったバカの一発だろうと、敵の攻撃に見せかけて戦争屋が仕掛けたデッチ上げの一発だろうと、誤射だろうとなんだろうと、戦争は一発で始まる。そして始まったらもう、終わりは見えない。興奮したバカどもが仕返しを叫び、理性は吹っ飛び、双方の爆撃が始まる。街が燃える。なんの関係もない人々が殺される。待ってましたとばかりに在庫を一掃して戦争屋が儲ける。炎の中で子どもが死ぬ。母親たちが泣き叫ぶ、憎悪が憎悪を生み、さらに人が殺される。殺すのは人、殺されるのも人。普段の人間の感覚などぶっ飛んで全てが狂う。街が住居が崩れ落ちる。戦争には善も悪もない。あるのは敵と味方だけ。敵に対する憎悪ばかりが急増し、街が焼け、住まいを失い身内を失い何もかも失ってしまった絶望や恐怖が新たな狂気や暴力や非道をうむ。人間が人間を殺し殺しあう非道な戦争の中では全てが狂う。

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音羽 信   

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2025/12/18掲載

■よりみち~編集後記  up
映画『エディントンへようこそ』(監督・脚本:アリ・アスター)を観てきた。何とも後味の良くない、気持ちが滅入る映画だったのだが、よく考えてみると、現実の世界を突き付けられた感じで、実はこの現実が不快なのであって、映画はそれをデフォルメしているだけだと思い始めた。コロナ禍の時代も嫌な思い出として記憶されているようだ。それにしても、陰謀論って底なしの怖さを感じます。この映画のストーリーの舞台は2020年、隣接する村がインディアン居住区でもあるニューメキシコ州の小さな町、エディントン。コロナ禍で町はロックダウンされ、息苦しい隔離生活の中、住民たちの不満と不安は爆発寸前。保安官ジョーは、IT企業誘致で町を救済しようとしている野心家の市長テッドと、「コロナはただの風邪だ」“マスクをするしない”の小競り合いから対立が始まり、テッドに侮辱された保安官が「俺が市長になる!」と突如、市長選に立候補。ジョーとテッドの諍いの火は周囲に広がっていき、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上。同じ頃、ジョーの妻ルイーズは、カルト集団の教祖ヴァーノンの扇動動画に心を奪われ、陰謀論にのめり込んで…

よりみち

のらり編集部

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1月8日(木)は年始のお休みとさせていただきます。
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