■新・汽車旅日記 ~平成ニッポン、いい日々旅立ち 第737回「新横浜~福井~東京、ぐるり一周(3)- えちぜん鉄道 -」 福井商工会議所の最寄り駅は福井鉄道福武線の商工会議所前駅だ。わかりやすい。福井駅前から路面電車に乗って10分ほどだ。それを遠回りして行く。私はJR福井駅の改札を出て南口を出た。福井鉄道の駅とは反対側だ。工事中の新幹線高架駅を通り過ぎれば、えちぜん鉄道の福井駅がある。赤くて四角い建物だ。2月に来たときは外観ができあがっており、壁の赤色はサビ止め塗装の色だと思った。しかしこれが本塗装で、木材を使った内装と相性の良い“さび色”にしたという。プラットホームの天井は永平寺の格天井を模したという。ならば建物は朱色にしたと言えばいいのに、さび色である。鉄道の鉄のイメージを重ねたか。プラットホーム階の側面はガラス張りで電車が見える。鉄道模型の陳列ケースのようでおもしろい。格天井も見えるけれど、磨かれたガラスのせいで向かいの…
杉山 淳一 ※只今休載中 バックナンバー
2024/12/12掲載
■店主の分け前 ~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第492回「流行り歌に寄せて No.287「バス・ストップ」~昭和47年(1972年)9月1日リリース」 先日、私が卒業した、愛知県春日井市の中学校の同窓会案内の往復はがきが届いた。来年の3月に地元の会場で行なうというものだが、案内文の最後に「今回、古希を迎えるにあたり、同窓会は一旦区切りとしたいと思いますので、多くのご参加をお待ちしております」と書かれていた。みなで会って懐かしむ、その同窓会にも最終回があるのだなと、少ししみじみとした。 私は、父の転勤などの関係で、小学校は三校、中学校は二校行っているので、小・中学校を通しての同級生という人がいない。なぜか頼りない気がしていて、子どもにはその思いをさせたくないと、小・中学校は、ずっと同じところに通わせた。今回ご紹介する平浩二と、同じ歌手である前川清とは、小・中学校の同級生であるという。長崎県佐世保市立山手小学校から…
金井 和宏 バックナンバー
■西部開拓時代の伝承物語 ~黄金伝説を追いかけて 第33回「西部開拓時代の虚像と実状 その1」 私がいつの頃からかアメリカ西部と言うべきか、ハリウッド西部劇にあてられ、のめり込むことになった。西部劇が好きだった親父に連れられて二本立て映画の二番館で、小学校の時から西部劇を観ていたせいだとは思うが、父親が死んでからも小銭を握りしめて西部劇通いをしていたから、アメリカの大西部に対する思い入れは相当なものだったのだろう。 当時はもちろん、自分が西部劇のヒーローたちの足跡が数多く残るロッキーの山裾に住み、ピックアップトラックを転がして、様々な舞台を訪れるとは想像もしていなかった。西部劇は一種、大人の、言い切ってしまえば男の憧れ、郷愁があるように思う。成人した男の童話なのだ。だから、現実といかに離れていようが、汗臭いカウボーイ、黒ずくめに身を固めたギャンブラー、そして鮮やかな拳銃さばきがあればそれだけで…
佐野 草介 バックナンバー
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から 第879回「他人の目、外国人の目」 日本のニュースを見ていて、読んでいて気になるのは、外国人、主に西欧人ですが、ツーリストが何に対してどう感じたか、どう思ったかの意見、評価の多さです。それも、日本に何年も住み、日本の社会で暮らしている人ではなく、全くの観光客の意見をありがたく拝聴し、報道しているのです。ですから当然、彼らが自国にいては気がつかなかった、日本的なおもてなしの精神、礼節、モラルの高さなどなど、日本人にとっては当たり前のことを、彼らは意外に感じ、こそばゆいくらいに日本を褒め上げることになります。アメリカの若者、ドイツやオランダから来たカップルが日本食を初め、公共の乗り物の便利さ、落とし物を拾った人が警察に届け、それが元の持ち主に帰ってくる社会、通勤電車できちんと並んで待っていること、そして外国人に対するホスピタリティは素晴らしいと褒めるのです。 全般的に彼らの関心は多分に皮相的な日本文化、そして食べ物、安さに…
Grace Joy(グレース・ジョイ) バックナンバー
■ドレの『狂乱のオルランド』 ~物語の宝庫、あらゆる騎士物語の源 第10歌 ルッジェロの大冒険 第6話「絶体絶命のアンジェリーカ」 さて前回は、ルッジェロが岩に荒波が打ち寄せる岩に、生まれたままの姿で鎖に繋がれているアンジェリーカを派遣したところまでお話しいたしました。ルッジェロがイポグリフォを操って降下してよく見れば、全裸の体に波しぶきを浴びて泣き叫ぶアンジェリーカの足元には、巨大な蛇とも龍ともつかぬ異様な怪物。波の中から身を踊らせて、今にもアンジェリーカを飲み込もうとしている様子。どうしてアンジェリーカがこんなところでこんな目に、彼女に首ったけのオルランドやリナルドは一体全体何をしているのか、とルッジェロは思ったが、ここまで私の話を聞いてくださった皆さんならご存知の通り、第8歌でお話しいたしましたように、この島では、海の神ネプチューンの息子の怪物の姿をしたプロテウスが島の王の娘に一目惚れをして無理やり情をかわし、そのことを憤慨した王が姫である娘の命を絶って海に捨てたこと…
谷口 江里也 ※暫く休載します
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■よりみち~編集後記 12月3日午後10時頃、韓国の尹錫悦大統領は「非常戒厳」いわゆる「戒厳令」の発出を宣言。韓国軍が、国会の政治活動を禁止すべく、銃を持って韓国の国会を封鎖に向かう一方、戒厳令解除の決議を目指す与党を含む国会議員や多くの市民が国会周辺に押しかけ大混乱に陥った。4日未明、300議席中過半数を超える190人の議員によって、戒厳令解除の決議が行われ、発令からわずか6時間後、大統領が閣議を通じて戒厳令を解除した。韓国の戒厳令と言えば、1980年5月17日、全斗煥が軍事クーデターで79年の12月に次ぐ2回目の軍事クーデターを行った時に国会封鎖を実施して戒厳令を宣言したことを思い出してしまう。大統領暗殺から軍事独裁へと韓国の暗黒時代を象徴する事件で、さらに1982年1月5日、夜間外出禁止令を発令して、一般市民に対して午前0時から翌4時までは家にいることを強要したのだ。ちょうどその頃、私は何にも知らずに大韓航空でソウル経由のパリ便で向かい、2日のストップオーバーでソウル市内を観光したことを思い出す。
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■鏡の向こうのつづれ織り ~谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空 [全24回] 谷口 江里也
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