のらり 大好評連載中   
 
2012/02/16掲載

■新・汽車旅日記
 〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第409回「
八郎潟とジュンサイ沼 - リゾートしらかみ1 -」 up
男鹿駅構内にぽつんと建っていた車庫から同じ色のディーゼルカーが引き出されて、私たちが乗ってきた列車に連結した。07時16分発の上り列車こそ、この時間の主役である。思っていたとおり、秋田行き普通列車は途中の駅で乗客を増やし、追分から先はかなり混んで立ち客も出た。窓の外に目を向ければ、雨が降り出し、だんだん激しくなっている。今日は五能線に乗りに行く予定である。五能線と言えば冬の荒波に洗われる線路、というイメージだ。しかし私が乗ったときは春と夏で、車窓は南国のような青い海だった。今日は雨模様だろうか。荒れた日本海を眺められるか、と期待する。土崎駅を過ぎると左手に機関車の群れが見える。JR東日本の秋田総合車両センターだ。赤い交流機関車の向こうに隠れて、白・黄・青に塗られた機関車が見える。寝台特急カシオペア用の塗装を施したEF81だ。今は後任のEF510に役目を譲っている。M氏によるとEF81は廃車の運命だという。ここは以前、土崎工場と呼ばれていた。機関車を作るところであり、解体するところでもある。秋田駅着08時13分。これから乗る『リゾートしらかみ1号』は08時24分発。

杉山 淳一

杉山 淳一 

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2012/01/26掲載

■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第204回「流行り歌に寄せてNo.16 「水色のワルツ」〜昭和25年(1950年)」 

私が、二葉あき子の『フランチェスカの鐘』についてこのコラムに書いたのは、昨年6月の末日のことである。それからひと月半後の、8月16日、彼女は心不全でこの世を去った。行年96歳。それは、彼女の運命を大きく動かし、『フランチェスカの鐘』を歌い続けるきっかけとなった、広島の原爆投下から、66年と10日後のことだった。私にとっては、彼女の二つ目の曲の紹介を、今度は亡くなった後にご冥福を祈りつつ書くことになった。大変に美しいワルツで、多くの人の心を捉え、当時大ヒットした『水色のワルツ』について書いていきたい。作詞の藤浦洸が、前々回ご紹介した『象印歌のタイトルマッチ』の審査員なら、作曲の高木東六は『家族そろって歌合戦』の審査委員長を長らく務めた人として、私の記憶にしっかり残っている。その高木は、大の歌謡曲嫌いで有名であったそうだ。実際に、この曲を含めて数曲しか、歌謡曲には曲を提供していない。この曲の中でも長いピアノ独奏の部分を自らが弾き、「謡」の字を抜いた、まるで歌曲のような雰囲気を醸し出している。実は、高木は戦時中、長野県の伊那に疎開しているとき、天竜川の畔を散策していてこの曲が浮かんだのだという。

金井 和宏 金井 和宏 ※著者都合により今週休載  
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2012/02/16掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
 〜西部アウトロー列伝 Part4
 
第54回「ビリー・ザ・キッド その54 〜
リンカーン裁判」  up
告発され、起訴状まで出たガンマンたちの多くは、裁判所の出頭命令に応じないどころか、すでに姿をくらましており、州の外へ逃亡していた。罪状がごっそり付いた起訴状は空手形となっていた。当然のことだが、ドラン派も巻き返しを始めた。厳として結束の固いギャング団、牛馬盗賊団のサンタフェリンクは消滅するどころか、マスマス発展していた。その主要メンバーであるドラン、ペッピン、ダッドリーは裁判への影響力を駆使し、告訴から逃れた。リンカーン郡の戦争後、反対派のタウンストール、マックシーン派に暴虐の限りを尽くしたセルマンとその郎党までが起訴を逃れている。キッドとオファーリャードの二人はそんな幸運に恵まれなかった。キッドとオファーリャードを起訴したのは検事のウイリアム・レナーソンで、サンタフェリンクに非常に親しく、ルー・ウォーレス知事の越権行為を許さず、正面から対立する覚悟を固めていた。そのためのもってこいの生贄が、ルーの息のかかったキッドとオファーリャードだった。検事はルー・ウォーレスがキッドとオファーリャードに約束した特赦をそのまま認めるつもりは毛頭なかった。キッドとオファーリャードの二人はルー・ウォーレスの秘密兵器的重要証人として・・・

佐野 草介 佐野 草介 

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2012/02/16掲載

■亜米利加よもやま通信
 〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第247回「
携帯を持ったサル、持たないオラウータンup
アメリカ全土で携帯の電波が届かない地域を色分けした地図を見ると、99パーセントはカバーされています。しかし、その残りの1パーセントの白く取り残された部分に私たちは住んでいるようなのです。まさに文明の恩恵から落ちこぼれた野蛮なところで暮らしているのです…。私は今まで、名刺と携帯電話を持たずに生涯突っ走るつもりでしたが、日本の大学で教える機会があり、その時の私のスポンサーである「フルブライト」が仰々しい名刺を刷ってくれましたので、名刺の方は自分の意志に関わりなく持たされてしまいました。初めて自分の名刺を見たとき、"私、こんなに偉かったのか"という感じと、"照れくさくてこんなもの他人に渡せないな〜"という奇妙に自意識がくすぐられる思いがしたのを覚えています。ほとんど使わないまま、大量に余り、日本を出るときに捨ててしまいました。というわけで、名刺の方は"前科"があります。携帯電話で困るのは、「携帯の番号教えてください」と当然のことのように訊かれ、「アノー、私、携帯持っていないんです」と答えたときです。相手の反応は二つに分けることができます。第一のグループは、目の前に山奥か、ジャングルから出てきた言葉の通じないオラウータンかチンパジーが突然現われたかのように・・・ 

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)

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2012/02/09掲載

■現代語訳『風姿花伝』
 〜世阿弥の『風姿花伝』を
  表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳

第44回「花修云(かしゅうにいわく) その三の一」

能においては、強き、幽玄、弱き、荒き、を知ることが大切である。これらはだいたいのところは、見て分かるようなことであって、簡単なことに思われるかもしれないが、この真実を知らないがために、弱き為手、荒き為手になってしまうことが多い。まず、どんな物まねにおいても、本当の物まねになっていない部分で、荒くなったり弱くなったりすることを知らなければならない。しかしその境を知るのは難しく、よほど工夫を凝らさなければ、見分けがつかない。よくよく心の底にあるものの違いを見極め、良く考え、習得すべきことである…

 岩の記憶、風の夢

谷口 江里也 谷口 江里也 

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2012/01/26掲載

■よりみち〜編集後記 

スマートホンは「スマホ」と略すらしいが、最近は「ステマ」とか「ネトゲ」だとか、略語が日常化して、その道の「トウシロ」にはなかなかすぐには理解が難しい時代になってきたようだ。「ステマ」=「ステルス・マーケティング」(消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること)、「ネトゲ」=「ネットワーク・ゲーム」の略語で、ネットの普及でさらに省略語が氾濫することは間違いなさそうだ。特に、文字数の制限のある「Twitter」が登場してさらに略語の使用が加速している。近い将来、ネットに不慣れな人は略語解読のためのソフトなしには文章が読めなくなるかもしれない。とにかく情報量が多すぎるから、短縮したり、省いたりしなければコンパクトにならないから、さらに略語に頼ることになるのだ。これは嘆いてもしょうがないよで、これも時代の流れなのだろう。総務省の統計結果らしいが、現代の情報量は、10年前と比較すると540倍に膨れ上がっているらしい。確かに、10年前を思い出してみると懐かしい話がたくさんある。2000年のニュースでは、NTTの分割の年で、この年に東西に分かれ、KDDIが誕生し、Googleが日本語版をはじめたばかりで、Amazon.comが日本語版をスタートした年でもある。まだ世の中はISDN全盛時代だったわけで、光回線もなかったのだ ・・・

よりみち 「のらり」編集部

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佐野 草介
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