第174回:ラグビーW杯まであと1年 (前)
2011年のニュージーランドで行なわれる第7回ラグビー・ワールド・カップ開催まで、早いものでもう1年を切った。
開幕戦は2011年9月9日、オークランドのイーデン・パークで地元ニュージーランド対トンガの試合。ファイナルは同球技場で10月23日となるため、45日間の期間で、48試合(3位決定戦含む)が繰り広げられることになる。
最初の四つのプールは5ヵ国ずつの総当たり戦で、2ヵ国が決勝トーナメントに進むのだが、各プールの内訳は次の通り。(
)内の数字は今年9月20日現在のIRB世界ランキング。
プールA:ニュージーランド(1) フランス(4) トンガ(16) カナダ(14) 日本(13)
プールB:アルゼンチン(8) イングランド(6) スコットランド(7) グルジア(17) 予選敗者復活戦勝利国
プールC:オーストラリア(2) アイルランド(5) イタリア(11) ロシア(18) アメリカ(15)
プールD:南アフリカ(3) ウエールズ(9) フィジー(10) サモア(12) ナミビア(20)
※プールBの最後の1席は、ルーマニア(19)とウルグアイ(21)のうちどちらかで、11月に行なわれるホーム&アウェイの試合で決定される。
さて、我がジャパンの日程は、
9月10日(土) 対フランス戦
9月16日(金) 対ニュージーランド戦
9月21日(水) 対トンガ戦
9月27日(火) 対カナダ戦
弱いチームの宿命、それは当然覚悟の上とはいえ、中5日、中4日、中5日の超タイトなスケジュールである。ちなみに地元ニュージーランドは中6日、中7日、中6日の日程となっている。ただ対戦国の順番としては、かなり幸運な日程だと言えるのではないか。
緒戦の対フランス戦では、ジャパン最高のメンバーで今までの成果の結集として、過去のW杯2回ファイナリストになった強豪にぶつかっていく。ジャパン・ラグビーの最高のパフォーマンスを見せて、勝ちに行く。
2戦目の対ニュージーランド戦は、間違いなくラグビーをさせてもらえないのだろうから、ジャパンも主力選手以外のメンバーが、世界に冠たるオール・ブラックスに挑む歓喜を胸に暴れてくれば良い。そして、世界最高級のプレーヤーの強さを身体で受け止めて、それを帰国後多くの人々に伝えていってもらいたい。日頃は絶対に対戦できない相手。絶好の機会を得ただけでも、ジャパン・ラグビーにとって、とてつもなく意義がある。
そして、第3戦、第4戦は絶対に勝つ。トンガ、カナダともにランキングはジャパンより下位にいるが、W杯とは通常のゲームとはまったく異質のステージであり、ランキングの一つ二つは何の影響力もないのだ。
今、ジョン・カーワン率いるジャパンは、持ち味を出し切ればこの2ヵ国には勝てるチームになった。あと1年ある。もちろん相手も停滞はせずに切磋琢磨してくるだろうから、ジャパンもさらなる発展を見せて欲しい。そのためには、力のあるチームとの対戦が不可欠となる。10月末から11月初めにかけてのサモア戦、ロシア戦は良い形で勝ちたいところだ。
ただ、11月に予定されていた新たな南半球スーパー15への参戦チーム、オーストラリアのメルボルン・レベルズ対日本A代表とのゲームが中止になったことは痛いと思う。A代表とは言え、実質的にはジャパンのメンバーの強化を、南半球の新興ではあるが力のあるチームと是非ともしたかった。
日本ラグビー協会は、ジョン・カーワンの人脈だけに頼らずに、対戦相手選びに奔走して欲しいと思う。とにかくこの時期、何よりもジャパンとして一つでも多くのゲームをすることが大切なのだ。
最後に、今、私が勝手に考えている来年のW杯の緒戦の先発メンバーを書いてみたいと思う。もちろん、この1年で彼らを越える選手が出てきてくれることは大歓迎。いや、そのくらいの選手が出てこなければフランスとはゲームにならないか…。
FW第1列 PR1_平島久照 HO_堀江翔太 PR3_畠山健介
FW第2列 LO4_大野均 LO5_北川俊澄
FW第3列 FL6_菊谷崇 FL7_マイケル・リーチ №8_ホラニ龍コリニアシ
HB SH_田中史朗 SO_ジェームズ・アレジ
TB WTB11_小野澤宏時 WTB14_遠藤幸佑
CTB12_ライアン・ニコラス CTB13_アリシ・トゥプアレイ
FB 立川剛士
やはり、WTB、FBのいわゆるバック・スリーあたりに新しい勢力が出てきて欲しい気がする.
-…つづく
第175回:ラグビーW杯まであと1年 (中)
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