■店主の分け前~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと

金井 和宏
(かない・かずひろ)

1956年、長野県生まれ。74年愛知県の高校卒業後、上京。
99年4月のスコットランド旅行がきっかけとなり、同 年11月から、自由が丘でスコッチ・モルト・ウイスキーが中心の店「BAR Lismore
」を営んでいる。
Lis. master's voice


第1回:I'm a “Barman”~
第50回:遠くへ行きたい
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第51回:お国言葉について ~
第100回:フラワー・オブ・スコットランドを聴いたことがありますか
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第101回:小田実さんを偲ぶ~
第150回:私の蘇格蘭紀行(11)
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第151回:私の蘇格蘭紀行(12)

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■更新予定日:隔週木曜日

第157回:私の蘇格蘭紀行(18)

更新日2009/12/24


車中にて
4月14日(水)、インヴァネスから、ブリテン島の北端ウイック(Wick)に向かう電車の車中、上空が雪から雨へと変わっていき、その下に広がる海の姿を右側車窓に見ながら、結構長い時間があったので、とりとめもなくいろいろなことを考えた。こちらに来て見たこと感じたことを、思いつくままに。

〈ラグビー〉
こちらに来る前は、私はラグビーの英国での人気は、サッカーにそれ程引けを取らないものと勝手に信じていたが、考え方の違いに気づいた。

とにかく、サッカー(Football)が、スポーツの中で絶大な人気を誇る。新聞、テレビなど報道関係のスポーツ扱いの恐らく8割方はFootball。それに次いで、ラグビー、クリケットというところだ。

例えば、どこか街中のスポーツ用品店でラグビー・ジャージを探しても、Football用品が限りなく続く森のような陳列コーナーの片隅に、ラグビーのコーナーがひっそりと設けられていることがほとんどだ。

今やこのスポーツ中継で食いつないでいると言われているパブ、そのテレビに映るのは、ほぼ100パーセントFootball。

ただ、どの地域に行っても潤沢にある芝生のグラウンドには、Footballのゴール枠とともに、ラグビーのゴールポストが並立しているところが多いのはさすがだなあ、羨ましいことだなあと思った。

こちらに来て、どんなレベルの試合でもよいからグラウンドに行って観戦したいと思っているが、まだ実現できていない。

〈羊〉
どこに行っても、広い草原で彼らはゆっくりと草を食んでいる。ただ、不思議なことに羊飼いというのか、彼らの世話をしている人たちの姿を見かけたことは一度もない。羊たちは、ただ自由にそこにいるように見える。

〈車〉
こちらの車の多くがミッション、オートマの車は極端に少ない。来る前はジャガーやオースチンのような大型車が幅を利かせているイメージがあったが、ほとんどが2000cc以下の車が走っている。

日本車やRENALT(私は始めリナルトとはどこの車かと思ったがルノーと読むのですね)が多く走っているが、一番目立つのがFordの小さめの車。日本のフェスティバと同型の車がFestaと若干名前を変えて走っているのが面白い。

〈労働者〉
工場で働く人たちや、職人さんの中には、作業服のままパブに飲みに来る人が多いのには驚いた。ペンキ職人はペンキだらけのままエールを呷ったりしている。

日本の同種の労働者のほとんどが、仕事の後はスポーツ・シャツなどのこざっぱりした服装に着替えて飲みに出るのとはかなり違いがあり、興味深い。

〈天気〉
天気予報に"spells"と言う言葉が多く使われるので、調べてみれば「一時」という意味らしい。"Sunny spells shower"は「晴れ一時雨」のこと。

とにかく、こちらの天気は変わりやすい。しっかり晴れていたと思ったら、一天俄に掻き曇り、雨などということは茶飯事だ。一日中ピーカンでした、と言う日は極端に少なく、天気予報のマークもお日様マークだけというのはほとんどない。その上の雲マークがなかなか消えないのだ。

その影響なのか、こちらの人は少量の雨の場合、ほとんど傘をささない。日本人に較べて傘を必要とする雨の量が大きく違う気がする。

〈距離感〉
道を聞いたときに距離も訪ねると、若い女性なども、「まあだいたい2マイルくらいのものでしょうから、歩いてもたいした距離ではないですよ」という答え方をする。2マイルと言えば3.2キロメートル、かなりの距離だと思うが。

とにかくこちらに来てからよく歩くようになった。これはよいことだと思う。歩くことに慣れてしまえば、こちらの距離感の方がまともだと思えるようになった。


・・・・・そんなことを考えているうちにウイックに着いた。i で探してもらった宿は、EN SUITEで£18.00。さすがに北の端まで来ると宿代は安い。

しっかりものの、清潔な感じのおばあさんが経営するB&B。実にていねいに手を加えたガーデニングの花々に囲まれた、美しい建物だった。ただこのおばあさん、アジア人というものに接したことがないのだろう、かなりの警戒心を持って私に応対しているのが解る。

今までになかったケース、私も少し緊張気味である。

-…つづく

 

 

第158回:私の蘇格蘭紀行(19)

 

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