■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から


Grace Joy
(グレース・ジョイ)



中西部の田舎で生まれ育ったせいでょうか、今でも波打つ小麦畑や地平線まで広がる牧草畑を見ると鳥肌が立つほど感動します。

現在、コロラド州の田舎町の大学で言語学を教えています。専門の言語学の課程で敬語、擬音語を通じて日本語の面白さを知りました。




第1回~第50回まで

第51回:スポーツ・イベントの宣伝効果
第52回:国家の品格 その1
第53回:国家の品格 その2
第54回:国家の品格 その3
第55回:国家の品格 その4
第56回:人はいかに死ぬのか
第57回:人はいかに死ぬのか~その2
第58回:ガンをつける
第59回:死んでいく言語
第60回:アメリカの貧富の差
第61回:アメリカの母の日
第62回:アメリカの卒業式
第63回:ミャンマーと日本は同類項?
第64回:ミャンマーと民主主義の輸入
第65回:日本赤毛布旅行
第66回:日本赤毛布旅行 その2
第67回:日本赤毛布旅行 その3
第68回:スポーツ・ファッション
第69回:スペリング・ビー(Spelling Bee)
第70回:宗教大国アメリカ
第71回:独立記念日と打ち上げ花火
第72回:ティーンエイジャーのベビーブーム
第73回:アメリカで一番有名な日本人


■更新予定日:毎週木曜日

第75回:日本語はどこへ行ってしまうの?

更新日2008/08/28


北海道の小さな大学で夏期講座を受け持ち、またまた日本にいってきました。指折り数えてみるとこの1年間に5回も行っていることになり、日本に住んでアメリカに行く方が便利なのではないかと思えるくらいです。

日本で教える楽しみは、大好きな食べ物は別にしても、私が教える以上に学ぶことが沢山あることです。かなり化石化したウチのダンナサンの日本語ではなく、若い学生さんたちの生の日本語に接することができるのも大きな魅力です。

新しい外来語が多くなり、新聞や雑誌で外来語やカタカナのないページを見つけるのはミッション・インポッシブルになってきたのは驚きでした。その中にはすでに日本語化した使われ方をしている外来語もありますが、新聞の経済欄では、英語圏の人でも言葉の定義も意味も知らないような英語をそのままカタカナに置き換えて日本語の文章に織り交ぜている文章がとても多くなってきてるようです。。

ストレス:もう日本語化した外来語になっていますが、"強調する"とか"重点をおく"という意味の方は忘れられているようです。

ウェッブ、サイト、インターネット、ログイン、アクセス、ブログ:一体日本語でどう呼べばよいのか分らないくらいです。

リクリエーション、レジャー:92歳になる私のお姑さんでも知っている定着した外来語でしょうね。

リサイクル:リサイクルショップというのと、古道具屋さんと呼ぶのとではお客さんの入りが違うのかしら。私には古道具屋さんのほうが、薄暗い狭い店のなかに積み上げられた掘り出し物あるような気がします。

スタッフ:英語流に言えばスタッフメンバーで社員や構成員のことになりますが、スタッフだけですとモノを指すのが普通です。日本語化した外来語でしょうね。

スカウト、リクルート、ドラフト・・・と、ここまでは一般によく目にしますが、以下のカタカナ語のうち、幾つ正しい意味がお分りでしょうか? そして幾つご自分で実際に使ったことがあるでしょうか?

1. コラボレーション collaboration   共同作業、協力、合作、協賛
2. エンフォースメント enforcement  法務執行
3. コンソーシャム consortium  共同企業体
4. コンスピラシイ conspiracy  共謀、陰謀、
5. メセナ  ドイツ語からのカタカナ語でしょうか、文化用語活動
6. エンパワーメント empowerment   権限付与
7. タスクフォース taskforce  特別作業班、機動部隊
8. スタグフレーション stagflation  失業率が高くなり消費購買力が落ち、経済成長率がマイナスになるインフレーション
9. サブプライム sub prime  2級品
10. ディクライニング・ディケイド declining decade  凋落の10年
11. グローバリゼイション globalization  全地球的 全世界的
12. プライマリーバランス primary balance  基礎的財政収支
13. アンチエイジ anti aging  不老
14. ファンドリー foundry  共同生産工場
15. ジャンクボンド junk bond  クズ証券

これらのカタカナ語は、うちのダンナさんが読んでいた雑誌の『文芸春秋』から無作為に拾い上げたものです。いずれもきちんとした訳語のある言葉ですが、外国語をカタカナ読みにして使っています。

使っている本人が文章のなかでの語感を踏まえて、あえてカタカナ語を書いているというより、主にアメリカで政治経済をカジッタ著者が、カタカナ語を気楽に乱用しているように見受けられます。

言葉は生き物です。時代とともに、生活が変わるにつれて変化していくものです。語感というのは生活感覚なしにはとても空虚な、空々しいものになっていきます。

実態のないカタカナ語も繰り返し使われるうちに日本語としての語感を持つようになる可能性は否定しませんが、あまり安易に使われすぎているカタカナ語を目にすると、一体日本語はどこに行き着くのだろうかと、不安な思いにかられるのです。

 

 

第76回:ガソリンが値上がりしても良いことはある


 
 
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