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■よりみち~編集後記

 

更新日2024/03/28



自民党の裏金問題は全く反省もなく、いつもの得意技である“忘れるのを待つ作戦”で終わる可能性が高くなってきたようです。そもそもこの自民党の裏金問題は、派閥からのキックバックを収支報告書に記載しない脱税行為のわけで、裏金だキックバックだと言われていますが、脱税のためのマネーロンダリングであり、ヤ〇ザ組織が専売特許の脱税なのです。それがどういうわけか、政治家という肩書があれば、政治資金の単なる記載漏れで、修正報告すれば全く罪に問われないという全くナンセンスな法解釈で誰も逮捕されたり、追徴課税されたりしないのです。
この自民党の裏金づくりはすでに30年以上前から行われていた報道があり、今回の議員証言からは間違いなく20年以上前から行われていたことが判明しています。

それではなぜ裏金づくりがパーティー券購入資金の流用で行われてきたのでしょうか? 
企業からの政治献金が国会内で問題化して、自民党議員と企業の癒着が騒がれるようになり、パーティー券を20万円を超えて購入した個人や団体の名前や金額を、寄付の場合は5万円を超えると収支報告書に記載するよう義務付けられたため、企業に対して一口2万円のパーティ券で何口も購入させて企業名や金額を公表しない方式が流行するようになったわけです。企業としても自民党への裏献金としてパーティー券が大いに利用されていたわけです。これって、明らかに江戸時代に流行した『ワイロ最中』と同じことです。
そしてさらに不思議なのが、企業はなぜそこまでして自民党の議員や派閥に対して多額の寄付や政治献金をするのかという素朴な疑問です。もちろんのこと、自民党の議員からの執拗な寄付や献金の依頼があることは間違いありませんが、ビジネスで儲ける大企業ですからメリットがないことに投資したりしません。そのカラクリが、「消費税」にあるのです。

<ちょっと古い情報ですが、2005年4月6日(水)「しんぶん赤旗」より抜粋>
大企業でも物やサービスを買えば、当然消費税を払います。しかし、その時は消費税を払ったとしても、最終的には消費税は大企業自身の負担にはなりません。たとえば、原材料や機械に50億円、輸送費、光熱通信費、事務費などに10億円を支払って、製造した商品を100億円で販売する企業を考えましょう。これらの経費を支払う際には、60億円の5%として3億円の消費税を払うことになります。一方、商品を販売する際には、お客から100億円の5%の5億円の消費税を受け取ります。消費税は、販売した商品やサービスに上乗せされた消費税と、仕入れの際に払った消費税との差額を税務署に納税する仕組みですから、5億円マイナス3億円で、2億円を税務署に納税することになります。このように、大企業は仕入れの際には消費税を払いますし、税務署に消費税を納税してもいますが、それには販売の際にお客から受け取った消費税が充てられています。つまり、最終的に消費税を負担するのは消費者であって、この企業自身は負担していないのです。大企業は、「形式的には消費税を払う」が「実質的には負担はしていない」ということです。

さらに、近年の消費増税に伴い、大企業は「消費税の還付金」で大きな利益を得ています。
この還付金は、輸出免税制度として知られており、製品の輸出時に企業に払い戻される消費税の制度です。この制度により、大企業は実質的な「補助金」を享受しています。以下は、一部の大手企業が還付を受けた金額の推計です。

トヨタ: 3,683億円
日産: 1,587億円
ホンダ: 1,565億円
マツダ: 790億円
新日鐵住金(現日本製鉄): 750億円
三菱自動車: 683億円
スバル: 507億円
村田製作所: 494億円
キヤノン: 482億円
シャープ: 381億円
パナソニック: 313億円
日立製作所: 248億円
スズキ: 160億円
(2018年度有価証券報告書から算出)

消費増税で益々苦しくなっている庶民の生活に反して、大企業は消費増税による還付金でさらに収入が激増しているわけです。当然この消費税のシステムを構築した自民党にキックバックしろと政治献金の要請を受けているはずで、自民党がキックバックの裏金を還付金と呼ぶ理由が、この消費税の還付金が自民党に戻ってきたからなのだと思います。消費増税による大企業への還付金=キックバックによる裏金の還付金という説明が最もスンナリ納得できませんでしょうか?
森元総理の爺様に責任を擦り付けたり、二階の爺様を引退させることで何とかこの茶番劇を締めくくりたいようですが、肝心の大企業からの還付金の裏金ロンダリングという自民党が生命線としている江戸時代のようなこの前近代的な「ワイロ最中」の慣習をなくさない限り、裏金自民党は全く変わりなく同じことを繰り返すだけだと強く思います。(越)

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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