第283回:禿げの効用
めったに目を通すことがない経済新聞"The Wall Street Journal"に、大きな会社の社長さんには禿が多い…という記事が載っていました。経済音痴の私ですが、"The
Wall Street Journal"をたまたま手に取り、充分に禿げ上がったダンナさんを持つ身として、そんな記事に, つい目がいってしまったのでしょう。
この記事は、ペンシルバニア州のウートンスクール(Wharton School)の教授、アルバート・マンズさん(Albert
Mannes)の調査論文で、現代のデジタル技術を駆使して、まだ立派に髪がある男の人の写真から髪を剃り落とし、禿げにして、髪がある写真と、禿になった写真を344人に見せ、質問に答えてもらうという、どこまでマジメでどこまでオフザケか判断しかねるような論文です。
アルバート・マンズ教授によれば、禿頭の方が自信に満ちて、親分肌、信頼できる、精力的と良いことずくめなのです。それどころか、実際より身長が高く見えるとまで言っています。
おまけに、このレポートによれば、アメリカの主だった会社の社長さんには禿が多く、アマゾン、マイクロソフト、ゴールドマン・サックスなどなどの社長さんは見事に禿げ上がっているそうです。実業界では禿げている人の方が有利だ…と結論付けているのです。確かに、禿げている人の方が存在感があります。
そう言えば、映画俳優でもブルース・ウィルスやショーン・コネリーのように、禿を隠そうとしない人の方が大スターとして息が長いように思います。でも、禿げたブラッド・ピッツやレオナルド・デ・カプリオはチョットいただけない気がしますが…。
禿げ頭をさらしているのは、現実をそのまま受け入れることができる大きな精神の現れと取られるのでしょうか、確かに少ない髪を頭の後ろや周辺から、禿げたテッペンまで持ってきて並べたバーコード・ヘアースタイルの男の人に、豪傑的性格は期待できないような気がします。
沈みかかった船に乗り合わせたりしたとき、バーコードの叔父さんが他の人の命を救うために犠牲的精神を発揮して、自らの命を他の人のために捨てるようなことはないのではないか…と思ってしまいます。海に飛び込む前に、バーコードの髪型を気にししそうです。
禿げ効果にあやかろうというのでしょうか、まだ充分髪があるうちに丸坊主にバリカンでさっぱりと刈り上げている人が目立ってきました。今回、ノーベル賞を受賞した山中先生も、最近亡くなったアップルの社長さん、スティーブ・ジョブズも禿げではないのに、丸坊頭にしています。
女性の立場から、チョット理解に苦しむのは、どうして男の人は"禿げ"にこだわるのか分かりません。まず、100%近くの女性は男の人が禿げているかどうかなどは、全く眼中にないと思います。
頭はウワモノより中に何が入っているかがタイセツだなどとは言いませんが、恋愛の対象、恋人としても禿げているかどうかなど、女性は問題にしていないと思います。
薄くなった髪を隠そうとカツラを被るより、薄い頭ならそのまま、禿げなら禿げでいる方が、女性にとってズーッと魅力的なのです。アデランスさん、ごめんなさい。
私のダンナさんの旧友で20代前半から立派に禿げている人がいますが、彼が友達仲間で群を抜いて一番モテ男なのです。
このマンズ教授の記事をダンナさんに見せたところ、さもありなんといった表情で「そうだろう、オメー、禿げは進化の象徴なんだ。」と満足気でした。しかし、マンズ先生は大会社の社長さんに禿が多いと言っているだけで、禿げているから偉くなるとは言っていません。逆は必ずしも真ならず! なのですが…。
インターネットでアルバート・マンズ教授の写真を探したところ、案の定、彼も立派な禿げ族でした。
第284回:“最近の若い者は…!”
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