片山峻徳
(かたやま・しゅんとく)

シーフード料理が自慢のレストラン、「Cardenas Ocean Club」店長。 お客様をカリフォルニアにトリップさせることに情熱をかける男。

 

Cardenas Wine Guild
会員心得

  1. ワインに興味がある人
  2. だけど通ぶらない人
  3. 飲・食・話が好きな人

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第2回の夜会はロバート・モンダビ!

お待たせしました。ずいぶんと日が経ってしまいましたが、第2回目カリフォルニアワインの夜会の報告です。東京・恵比寿にある姉妹店の「Cardenas Charcoal Grill」(カーディナス・チャコールグリル)で開催されました。主役となるワインはカリフォルニアの名門、ロバート・モンダビから5種類。

ロバート・モンダビは、アメリカでも超メジャー級のワイナリー。ワイン好きの人からツーリストまで、カリフォルニアからだけではなく、全米から多くの人が訪れます。その動員数はディズニーランドとユニバーサルスタジオに続いて全米で3本の指に入るほど。これはちょっと驚きです。日本ではちょっと考えられにくいかもしれませんが、このワイナリーにはそれだけ人をひきつける魅力があるということでしょうか。

それでは今回の料理とワイン、順を追って説明していきましょう。

まずは1998年のフュメブラン。すりガラスのボトルが美しいこのワインは、甘口のソーヴィニョンブランがカリフォルニアで主流だったころ、辛口のイメージを打ち出すためモンダビが世に出したものです。「フュメブラン」の「フェメ」は、「燻す(いぶす)」という意味。いまでは他のワイナリーからもフュメブランが出ていますが、この名称を使ったのはモンダビが最初といえるでしょう。鮮やかな果実味と繊細なスパイス、かすかにレモングラスの風味を感じます。これに合わせて、前菜はグリルしたツナと山芋を生春巻で巻いたもの。コチュジャンのソースとパクチーと一緒に召し上がっていただきました。

 

 

 

次の料理は「Cardenas Charcoal Grill」自慢の一品、シーザーサラダです。新鮮なロメインレタスを使ったこのサラダは、シーザーサラダ・コンクールでベスト3に入賞したレシピです。この料理に合わせたのは、1998年のコースタル・シャルドネ。年間100万ケースも出荷される人気の白ワインです。カリフォルニアのセントラルコースト、とくにモントレーで収穫されるスパイシーな果実の香りと、メロンやトロピカルフルーツ、カクテルの香りづけに必要なレモンの皮などの風味、さらにリンゴの風味なども楽しめます。

白ワインが2つ続いたところで次に登場したのが、同じく1998年のピノ・ノワール。チェリーとストロベリー、スパイスの香りが特徴です。樽に使われているフレンチオークの香りが口の中で広がるバランスのとれたワインといえます。料理は、有機野菜とペンネのトマトソース。トマトの酸味とピノノワールのほどよい重さはなかなか相性が良いのです。

赤ワインの2本目は、1996年のコースタル・カベルネソーヴィニョン。ベルベットのようなエレガントな風味を持つベリー系です。これは言い切ってしまうとボルドータイプのようなワインです。夜は涼しく、午後は晴天という気候のサンフランシスコ湾北部の地域で作られるこのワインは、糖と酸のバランスが見事な1本として知られています。

これと比べてやや力強く感じられるのが、1997年のオークヴィルディストリクト・カベルネソーヴィニョン。これは、ナパヴァレーのオークヴィル地区で作られたカベルネソーヴィニョンという葡萄の品種を95%使っています。カシスやベリーにフルーツ風味と杉の木のような香りがポイントです。メインディッシュは、日向産軍鶏を使った地鶏のグリル。スパイシーなソースが身の引き締まった軍鶏の味を引き立てる料理です。

 

 

 

最後に、今回の会場となったカーディナス系列店「Cardenas Charcoal Grill」(カーディナス・チャコールグリル)について。その名のとおり、最高級のチャコール(備長炭)を使ってグリルした料理をラインナップさせており、数多いカリフォルニアレストランのなかでも少々異彩を放つ店です。レシピはさっぱりしたものから、しっかりしたソースを使ったものまで幅広くカバー。一流フレンチレストラン出身のシェフのソースに対するこだわりは並々ならぬものを感じていただけるはずです。

この店のそもそものコンセプトは、野球をしたあと、友だちの家の庭でバーベキューをするというのがおきまりの休日の過ごしかただったオーナーのライフスタイルから生まれています。NYスタイルの、モダンで天井の高い店内とインテリアは、ちょっとした特別な時間を演出してくれること間違いなし。僕の信じる良いレストランの条件(料理、サービス、雰囲気)をすべて兼ね備えた素晴らしい店だと自負しております。

さて、ここで、この連載が開始早々滞ってしまった言い訳を。 6月18日に東京・代官山にて「Cardenas Ocean Club」(カーディナスオーシャンクラブ)がオープンしました。店長は私、片山が務めています。上述の「良いレストラン」の条件に加えて、お客様をとことん喜ばそうというソウルがみなぎったシーフードレストランにしようとスタッフ一同力を合わせて頑張っています。

 

 

 

■カーディナス・チャコールグリル
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-12-14
Tel: 03-5428-0779

■カーディナス・オーシャンクラブ
〒150-0034 東京都渋谷区代官山町8-7 2F
Tel: 03-5457-2424
http://www.cardenas.co.jp

※ワインの夜会およびCardenas Wine Guildの募集はすべて終了していますので、ご了承ください。

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