第15回:こんなものを食べてます-その2
更新日2005/05/12
こんにちは、めだかです。
今回はふだんの食事で食べているものをつらつらと書き出してみた。アマゾンに住んでいても日常口にしているものはけっこうフツーというか、そんなにめずらしい食生活でもないのだ。いつもいつも泥ガニや巨大淡水魚を食べているわけではないので…。
お昼によく食べているのはPFという名の定食。牛肉骨付きステーキ、白身魚のフライ、鶏もも焼きなどからメインを1つ選び、それにサラダがついて、別皿にご飯+ガーリック風味のパスタ+豆の煮たもの(フェイジョン)がどっさり盛られ、それで1人前。値段はR$3.5~4.0程度(\160くらい)なので庶民の暮らしにはとてもありがたい存在だ。
別皿の方にはファロッファというマンジョーカ芋の粉をふりかけ、フォークとナイフでご飯、パスタ、豆とともにぐっちゃぐっちゃ混ぜるのが正しい食べ方。こちらの人は何にでもこのファロッファをかける。粉自体には味がなく、まぁ強いて言えば粗く挽いた穀類のような風味(?)。これを好きにならなくちゃまだまだブラジル生活初心者だよなと思いつつ、実はあんまり得意ではない(特にぐちゃまぜ方式が…)。
PFの正しい食べ方(おかずは牛肉の煮込み)。
そして、ベレンの右も左もわからない頃からよくお世話になっていたのはポルキロレストラン。ポルキロ(por quilo)とは「キロ単位で」という意味で、つまり肉でも野菜でもデザートでも何でもお皿に盛って100gで○○ヘアイス(R$)とグラム単位で支払うバイキング形式のレストランのこと。ここではほとんど言葉を使わずに好きなものが食べられるので来伯当初の強い味方だった(今もだけど)。
種類に関係なく重さで計算してしまうなんてずいぶんアバウトで、ブラジルらしくていいなぁと思うけど、これも肉がものすごーく安いからできることなのだろう。牛肉が高価なニホンではちょっと無理でしょう(みんながステーキに殺到しそう…)。お店によって並んでいる料理はさまざまで、グラム単位の値段もピンキリ。高めのお店だとお寿司なども選択肢にあったりしてうれしい。
ここはわりと値段の高いポルキロ。
種類も豊富で充実している。
というわけで外ではしっかりブラジル式の食事(主に昼食)をとっているけれど、家ではほとんど和風な食生活。そんなにステーキだのフライだのこってりしたものばっかり食べていたら胃袋が疲れてしまうし、何より和食はヘルシーだもの。
ありがたいことに日系移民の方々のお陰で、大きめのスーパーや専門店では和の食材もかなり手に入る。昨年、当地はアマゾン入植75周年を迎えたくらいだから、ニホンの食習慣もずいぶんこちらに根付いているのだ。
世界中に普及している醤油はもちろん(でもキッコーマンじゃなくてサクラ印)、地元産の妙に美味しい味噌、みりん、酒といった基本調味料、豆腐や納豆もそろっている。そして、昔あまり野菜を食べる習慣のなかったブラジルに日系移民が野菜を持ち込んでくれたお陰で、いまや大根、白菜、もやし、きゅうり、ニラ、里芋、万能ねぎetc.と、どんな野菜でも手に入るのだ。日系移民農家のブラジル人食卓への貢献は非常に大きいと言われている。
スーパーのチーズ売り場に並んでいる豆腐
豆乳で作ったチーズってことかな?
たとえばある日の夕食の献立は、鶏肉の照り焼き・きゅうりとワカメの酢の物・冷奴、またある日は、煮魚(なまず)・大根サラダ・卵焼き、という具合。現地米より値段は高いけれど日本米もあるので炊き立てご飯も美味しく、少し涼しい夜には白菜の味噌汁も作ったりする(ふだんはもっぱらビールで水分補給だけど)。全然アマゾンぽくないでしょ?
外国にいながらにしてこんな食生活がおくれるとは思わなかった。そういう意味では海外暮らしのニホン人の中でブラジル在住の人間はかなり恵まれているんじゃないかな。とは言え、せっかくアマゾンにいるのだから、少しは現地の家庭料理も覚えて帰らなくちゃと思っている。ただニホンでこちらの食材が手に入るかどうかが問題かも。食べると舌がしびれてそれがまたクセになるジャンブーという葉物なんて売ってます?
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