のらりインタビュー



前回に引き続き明和電機のインタビューをお届けする今回の「のらりインタビュー」。
のってくるとダジャレがスパークする社長・土佐信道氏に、現在開発中の新商品と今後の展開について伺いました。

土佐信道プロデュースによるアートユニット。93年、兄・正道氏と結成。正道氏は2001年に定年退職、信道氏が社長に就任。ユニット名は彼らの父親が過去に経営していた会社に由来する。青い作業服を着て作品を「製品」、ライブを「製品デモンストレーション」と呼ぶなど、高度経済成長期の日本の中小企業スタイルが評判を呼ぶ。魚をモチーフにしたナンセンスマシーン「魚器(なき)」シリーズやオリジナル楽器「ツクバ」シリーズ、花をモチーフにした「エーデルワイス」シリーズなどのアート作品を発表。発表の場も展覧会やライブパフォーマンスをはじめCDや本の執筆、おもちゃの販売など多岐に渡る。

ハイテンションな土佐社長の商品説明が見られる明和電機の公式ホームページはこちら!http://www.maywadenki.com/
(以下敬称略)



のらり:前編では、最近は身近な家電製品などから計器類を操作する楽しみがなくなってきているので、その楽しさを伝えるべく商品化したのが「ガチャコン」というお話を伺いました。

社長 :日本は利便性と実用性ばかりを追及して計器類をないがしろにしたから景気が悪くなったってことですよね。計器類で景気回復。


「ジホッチ」試作品
2003年夏頃発売予定
価格未定
のらり:それが言いたかったんですね(笑)。ところで現在開発中の商品ってどんなものなんですか。

社長 :これです。名付けて「ジホッチ」。これは腕時計にアナログ式のダイヤルをつけて、「117」とダイヤルを回しますと「ただいまより〇時〇分をお知らせ致します」という、時報の音声が流れる訳です。
時間を知るのにもひと手間というか、お茶をたてるようにゆっくりと……、これもスローライフ?

のらり:いや、別に無理矢理そっちに話をもっていかなくても大丈夫です(笑)。音声はNTTの時報のような女性の声が流れるんですか。

社長 :標準型はそうですね。ただ、個人的には声優バージョンが欲しいです。広川太一郎さんの声で「9時ちょうどです。なーんて言っちゃたりして」とか(笑)。

のらり:広川太一郎! 名声優ですね。私も滝川順平さんの声で「8時30分です。おやおやまだ起きないんですか」って言われてみたいです。

社長 :夢は広がりますね。あと椎名へきるバージョンとか。

のらり:新しいファン層が広がりますね。明和電機は一体どこへ行こうとしているんでしょう(笑)。





頭がメスプラグ、尻尾がオスプラグになっている「魚コード」(3800円)
販売元:株式会社キューブ
電話03-3234-3721
のらり:「ジホッチ」もそうですが、明和電機のネーミングは技が利いているというか、楽しいものが多いですね。魚の形をしている延長コードの名前が「魚コード」と書いて「ナコード」と読ませたり。

社長 :魚コードの場合は、当時のスタッフと「次はどういう製品を作ろうか」と話していた時に、スタッフが「電気屋だから電気のコードはどう?」と言って、「じゃあ、魚のコードで魚コード」と返した兄(元社長・土佐正道氏)の冗談がきっかけで生まれたんです。ただ、全部がそういう風につけている訳ではなくて、モノを作る段階で決めていきますね。名前はそのモノの運命を左右する、ってくらい重要だと思います。

のらり:その場のダジャレでつけている訳ではないということですね。

社長 :そうです。ちなみにダジャレではない、エスプリですね。

のらり:明和電機さんのアイデアの源といいますか、普段はどういう物をご覧になったり読まれているんですか

社長 :分野ごとに情報収集するデータマンがスタッフに5人いまして、毎週ミーティングするんです。ちなみに今週は……(表情に微妙な変化)。

のらり:……冗談ですよね。

社長 :ばれましたか。

のらり:段々だまされなくなりました(笑)。

社長 :特別変わったことはしていませんよ。新聞を読んだり、書店に通ったり。興味のあることは徹底的に調べますよ。ただ、テレビはあまり見ませんが。

のらり:テレビに興味はありませんか。

社長 :そもそもテレビを置いていないんですよ。ディスプレイが家に二つあるのが嫌で、パソコンでテレビを見ようとチューナー付きのマシンを買ったんです。そうしたらテレビを見るたびにパソコンを立ち上げるのが面倒になってしまって(笑)。
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