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■亜米利加よもやま通信 〜コロラドロッキーの山裾の町から

第503回:遥かなる男女平等社会

更新日2017/03/09



丁寧にとはとても言えませんが、インターネットで日本のニューズをちょくちょく読みます。女性の東京都知事が誕生したり、マッチョマンの砦であった防衛庁の長官にこれまた女性が就任したり、第一野党の党首も女性が選ばれたりで、日本も女性の立場が日々強くなっている…と思い、GGI(Gender Gap Index;性別格差指数)を見て驚いてしまいました。

日本は何と世界で114番目なのです。対象になったのは145ヵ国で、一体全体世界にそんなにたくさんの国があることにも驚きでしたが、日本より男女格差が酷い国はタッチの差で115位の韓国で、それ以外はほとんどアラブの国々なのです。

日本、韓国では、女性を家の外に出さないイスラム教条主義が広がっているとしか思えないほどです。この意味では、アラブ、イスラム社会に限りなく近い国なのです。ただし石油は出ませんが…。この指数は、WEF(ジュネーブで行われた世界経済フォーラム)の結果ですが、日本は40年以上前から、女性の立場は変わっていません。

この調査によれば、10位以内に入っているヨーロッパ以外の国はニュージーランドが10位、そして何とフィリピンが7位なのです。大学にいるフィリピン人の女学生にこの結果を見せたところ、「とんでもない、フィリピンの男があまりに頼りなく、だらしないから、私たち女性が生活を支えなければならないだけだよ」と嘆いていましたが…。

そして、もう一ヵ国驚いたのは、ルワンダが6位だったことです。調べたところ、ルワンダでは議員の30%は女性でなければならないと法律で決められているので、世界で一番女性の国会議員が多い国になったことのようです。

長い間私の日本語の授業でアシスタントを勤めてくれた女性が日本に帰り、英語を生かした仕事に就きました。初めは派遣社員という立場、雇用でしたが、元々とても優秀な人ですし、周囲を明るく照らすような人柄ですから、すぐに派遣社員から本採用になりました。

ウチの仙人に言わせれば、「派遣から本採用になるというのは非常にマレなことで、郡を抜くほどその会社に役に立つと認められなかったら、とてもなれるもんじゃない」と感心していました。日本で派遣社員として働く人全体の70%は女性だそうですから、女性は季節労務者的な使い捨ての労働力とみなされているのでしょう。

日本に行くたびにいつも思うのですが、日本の女性、とりわけ奥さんたちは、ダンナさんが長時間働いてやっと手にしたお給料を使うのが仕事のようなのです。まるで結婚は永久就職で、奥さんが使うより多く稼いでくれる結婚相手を見つけるのが最終目的のようにさえ見えるのです。はっきり言わせてもらえば、日本の女性、とりわけ奥さん連中ほど楽をしている女性は、世界広しと言えども、他にないでしょう。

通勤電車、地下鉄に女性専用車両というものがあるのも驚きですが、あれは殺人的なラッシュアワーを体験しなければ、必要性を理解できないでしょうね。北大の図書館には女性専用のコーナー、座席があったそうですが、さすがに、逆差別だと、か弱い男性から非難されたのでしょう、廃止になりました。もともと、図書館内の痴漢対策として女性専用のコーナーを設けたことのようです。それなら、厳しく痴漢、セクハラを処分、断罪するべきなのですが…。

あまりにも日本的と言い切って良いと思うのですが、終いには、女性専用のお墓場まで造られ、結構流行っているのをご存知でしょうか?

かの絶世の美女だったと歴史に残る小野小町のお墓がある「随心院」というお寺で、女性専門の納骨堂を設けたところ、これが大ヒットし、他のお寺、墓地でも、女性専門コーナーを作り売り出したところ、散々苦労させられた夫と一緒のお墓は嫌という奥さんが続々と名乗りをあげ、今や、ペット墓地と女性専科墓地の時代に入ったといいます。

言うまでもないことでしょうけど、日本の女性は男性より10年近く長生きしますから、ダンナさんの葬儀を早々と終え、その後ダンナさんの残してくれた年金で余生を楽しみ、「どうして、私、あんな人と長いこと連れ添っていたのかしら、一人の方がズーッと良かった。お墓まで一緒に入る義理はないわよね…」ということになるのでしょうか。それならどうして早く離婚しなかったの…と問い詰めたくなります。

確かに日本の社会には、まだたくさん女性への差別があり、女性一人で生きていくのはとても大変な社会だとは思います。でも、それは何時まで経っても、女性自身に男性に頼る甘えの気持ちがあり、夫の収入に頼り、結婚を永久就職と考えている限り、いわば、"男女の不平等"などは絵に描いた餅だということを自覚しなければ、差別は決してなくならないと思うのです。

 

 

第504回:討論=ディベイト、演説=スピーチ

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Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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中西部の田舎で生まれ育ったせいでょうか、今でも波打つ小麦畑や地平線まで広がる牧草畑を見ると鳥肌が立つほど感動します。

現在、コロラド州の田舎町の大学で言語学を教えています。専門の言語学の課程で敬語、擬音語を通じて日本語の面白さを知りました。

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