青い空、白い空、海、草原、山、砂漠など、"Lines"の作品にはシンプルな風景が静かに横たわる。最初、アメリカの桁外れの大自然を前に、現実感が持てず、自分のパーソナルなプロジェクト“Collected
Moments”の撮影はできなかったと言う。新たなチャレンジとして、心の中の風景を写し取れないかと試みた。撮った写真を集めて見ると、それぞれの写真と写真の関係が見えてきて、同じ風景に何層も意味が加えられるのだそうだ。
このシリーズでは、圧倒的に地平線や水平線は下の方にある。空がスコーンと抜けている感じ。私たちが生活しているのは地上であって、普通は足の裏が地面についているだけで、体のほとんどはそのスコーンと抜けた空(というか空気っていうか大気圏?)にさらされているのだなあと感じる。そして大きい丸の上を歩いているのだと。
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