■生き物進化中~カッパのニューヨーク万華鏡日記

原園 綾
(はらぞの・あや)


お友達による原園綾紹介 池本麻矢子編

あやちゃんといえば……、1に笑い声、2に笑い声、3・4がなくて5に笑い声♪ いやあ、ここまで「笑い声」の印象的な人はいないと確信 致します。前回あやちゃんの紹介文を書いていた方も同じような内容だったので、やはりあやちゃんといえば、「笑い声」なんだなあ、と改めて確認致しました。ここまでくると、「長島茂雄といえばミスター巨人」、「ビートたけしといえばコマネチ」(古すぎ?)「セブンイレブンといえばいい気分♪」(え、マジ???)というくらい、商標登録した方がいいかも、ってな具合です。
でも、いいですよねえ、笑い声が第一印象に残るって。

だってやっぱり笑いは幸せを呼ぶし、決して悪いことではないですものね。かくいう私も、最初彼女と知り合った頃、 あの笑い声をマネしようかとトライしていた時期もあったくらいです!  でも、やっぱり無理・無理!  何でもそうですが、本家本元にかなうわけ、ないんですから。
きっと、どんな環境でもあの笑い声で鬱憤を晴らしていることでしょう。目に浮かびます。ニューヨークでもがんばってね。

最後になりましたが、私は高校時代からの知り合いで池本麻矢子と申します。たまにはあやちゃんの笑い声を聞いて、自分自身の鬱憤を晴らしたいと思うのは、私だけでしょうか……。




第1回:帰り道はセントラルパークを抜けて
第2回:カッパ、アートの現場すきやねん。
 
第3回:ダンス三昧の夏、NYの夏

更新日2002/08/01

劇場も美術館も子供向けのイベントになりがちな夏休み。いわゆるオフ・シーズンのニューヨークで是非チェックしたいのは、「リンカーン・フェスティバル」。全体では20以上のプログラムがあり、バレエ、オペラ、演劇、ダンス、サーカス、人形劇、演奏会、エスニック系コンサートなど。印象に残った公演から一部御紹介。

まずは、バレエに詳しいかおるちゃんのオススメで見に行ったロシアのキーロフ・バレエのズベトラーナ・ザカロワ。あんなに繊細なバレリーナ見たことない。「白鳥の湖」のバイオリンの旋律そのもの。目が話せなかった。双眼鏡(オペラグラスでなく、サル観察用のゴツイもので、会場では結構恥ずかしい)で見ると首、鎖骨、腕、に繊細な息遣いが。コンテンポラリー・ダンスしか見なくなっていた私が、10年振りに意外にもニューヨークでクラシックを見る新たな喜びを見つけている。

白鳥ロシアに帰る、カッパ沼に帰るの図

ダンス系のもう一つのハイライトは50周年を迎えるマース・カニングハム。もう杖をついてる83才だけど、現役の振付家。現代作曲家ジョン・ケージや美術家ラウシェンバーグなどとのコラボレーションで50年代に現代ダンスへ時代を切り開いた歴史的存在。だから、今見たら古臭くてつまらなそうだけどお勉強、と思って見に行った。最近の作品は時々面白いシーンがあるだけで、「アチャー、やはりか、、」とうつむきたくなった。でもね、最後にジョン・ケージ音楽の65年の作品を見たら、納得。よかったのだ。たぶん創作活動の流れにはその人の「旬な時期」があって、当時、彼等の活動が本当に実験的意義があった頃、感覚が研ぎすまされ、すさまじい集中力でスタイルが出来上がって、そして時代の中で果たす役割があったんじゃないかな。音楽もカニングハム自身がストーリーを朗読してもう1人の朗読者と交互に読んだり、違う話が同時に重なって意味がわからなくなったり、無音になったりという楽器の演奏ではない音。ストーリーはショートショート。例えば、「急に気が変わって御葬式に出ることにした。慌てて着替えて教会についたら既に始まっていた。最後に遺体にお別れの挨拶をする時、顔見たら、知らない人の御葬式に列席してしまっていたことを知った。」ってな感じの軽い笑い話。音楽というより声、そして声というより音になってゆくのです。舞台にはダンスの為の音か音の為のダンスか、ということを越える強烈な関係がある。すごいのが、前に上演した硬直したダンスとは打って変わって、しなやかで機敏、動きに遊びがあって面白い。良かった、この作品見れて。

そして、とうとう見ました、ローリー・アンダーソン。パフォーマンスを押さえた、先ほどのジョン・ケージとも違うけれどショートショート的ストーリーが軸になっていて、やはりお笑いネタ多し。ただ彼女の口調にはリズムがあるので、ケージの音っぽさよりもずっとメロディアス。話ながら常にキーボードやバイオリンを演奏したり音をDJする、サウンド・パフォーマンスとでも言うのかな。思い浮かぶままランダムに話すように、彼女の頭の中、世界の見方を感じる親密さ。それも小説を読む時のような観客の想像力を頼りに。お噺からひとつ、「中華街のマクドナルドでバイトした(これ本当)。ベテランの中国系マネージャーの指導の元、コーラをコップ満杯に注ぐのもレジの滑らかな動きもマスターし、誉められるようになり、お客に他の注文まで促すことも得意になった。気が付けば、この仕事で私は人(お客)の求めるもの(注文)をズバリ誤差なく与えていた。今まで相手の要求にこんなに正確に対応できたことは人生において一度もなかった。」可笑しくて、哀しくて、アイロニーな、そんな感じ。

いずれも、パフォーミング・アートの足跡を考えるいい材料になりましたのよ。

 

→ 第4回:カリフォルニア温泉ぶらり旅