のらり 大好評連載中   
 
■よりみち~編集後記
更新日2019/11/14




11月8日(金)参議院予算委員会の国会中継で共産党・田村智子議員が、毎年開催されて年々その規模が大きくなっている「桜を見る会」について厳しく追求。この「桜を見る会」は、1952年の吉田内閣総理大臣時代から始まっている首相主催による半世紀も続く伝統的なイベントで、各界で功労・功績のある方を各府省が推薦して招待しているはずが、安倍首相や閣僚らが地元後援会員を多数招待しており、実態は国費を使った後援会活動に過ぎないのではないかと糺した。安倍首相は自分が直接人選をしたり招待したりすることはないと回答してすべて内閣府がやっていることとして逃げ回ったのだが、安倍首相の地元山口県の後援会役員など850名が招待され、前夜祭と称して都内のホテルにてパーティーが開催され、安倍夫妻との記念撮影、そして当日は会場の新宿御苑の開門前の午前7時半からバス17台に分乗して乗り付け、そこにもまた安倍夫妻が記念撮影のために合流しており、これは首相動静コラムでも確認済みなのである。安部首相にとっての「桜を見る会」は国費の税金を使って合法的にできる安倍晋三後援会行事となっていることは明白である。合法的と思っているのは自民党幹部も同様のようで、11月12日(火)の記者会見で、自民党の二階俊博幹事長は首相主催の「桜を見る会」に地元の後援会員を招待する是非に関し「議員が選挙区の皆さんに配慮するのは当然だ」「どこが悪いのか分からない」と発言し、火に油を注ぐ有様で、全く公職選挙法第221条の買収および利害誘導罪について考えてみたことないようである。内閣府の大塚幸寛官房長も、招待客選定について「プロセスは適正だと考えている」と述べ、問題はないと発言。自民党系の議員経験者がこの7年余りは、政府の役職者によって招待枠が用意されていると証言する者も現れ、官邸は「桜を見る会」が安倍首相の私物化されている現実を追及されることを恐れ、11月13日(水)、菅義偉官房長官が午後の記者会見で例年4月に開かれる首相主催の「桜を見る会」を来年度は中止すると発表。2021年度以降の再開を目指し、招待基準の明確化や選考手続きの透明化など見直しを進めるとした。これまでの招待者選考に関し、内閣官房が首相、副総理、官房長官、官房副長官や与党に推薦を依頼しており、安倍政権以前から続いていた長年の慣行だったことを強調し、安倍事務所からの関与を否定している。ここまで暴露されても、安倍首相の直接関与を否定するわけで、徹底的に逃げまくるつもりのようだ。

同じ11月13日の記者会見で、国民民主党の玉木雄一郎代表は、首相主催の「桜を見る会」に関し、平成22年4月に鳩山由紀夫政権で開催された際、旧民主党が各議員に「推薦枠」を割り振り、招待者を募っていたことを明らかにした。「各議員4名だったと思うが、推薦枠があり、私自身もお世話になった方々を連れて行った」と語り、自身も支援者を招待したことを明かした。「党関係招待者検討チーム」を作り、選考基準を示して所属議員から招待者を取りまとめていたと説明。基準は「民間人を優先」「国民から疑惑を持たれないよう配慮」-といった内容で、情報公開請求があればリストを公開する可能性があるとも明記していた。旧民主党全体で2,500人の「推薦枠」があったという。旧民主党では、公開を前提に名簿の提出を求めており、透明性の確保に配慮していたと強調。玉木氏は民主党政権時代も含め、選考は基準があいまいなところがあるのも事実で、しっかりと事実関係を明らかにし、廃止も含めて検討すべきだとの考えを強調した。

民主党政権時代には一切そんなことはなかったと報告してもらいたかったが、各議員に推薦枠が設定されており、お世話になった後援会役員を招待していたことが判明しては、自民党の長年の慣行をそのまま継承していたわけで、同じ穴のムジナと言われてもしょうがないかもしれない。ただ、旧民主党時代の推薦枠に関しては名簿提出もできるほど透明性のある名簿のようなので、安倍政権のように名簿を廃棄して公開できないものではない点が大きく違っていることだ。安部事務所による講演会行事としての私物化が証明され、公職選挙法第221条違反で徹底追及することを望みます。それにしても、毎年桜の季節に新宿御苑に我が国に功労・功績のある方を1万8,000人も集めること自体がどうかしていると思う。招かれた人はそんなに大人数の一人として本当に嬉しいのだろうか? 来年度の予算要求が5,730万円という金額で、まとまれば結構な金額になる。それだけ招待客があると、チケットの横流しや権利の譲渡が行われていても不思議ではないし、セキュリティのチェックもあってナイに等しい程度のものらしいから、どうも怪しい会になっていることは間違いない。個人的には泡沫芸人が嬉しそうに安倍夫妻と写真撮影している風景が嫌いでウンザリしていたわけで、来年が中止になったことは喜ばしい限りだが、安倍ネツゾウさんの国費による講演会行事として私物化していた追及はトコトンお願いしたい。(越)

 

 

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

このコラムの感想を書く



のらり編集部

著者にメールを送る


バックナンバー

■更新予定日:毎週木曜日