■よりみち〜編集後記

 


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更新日2005/10/06


楽器というのはそれぞれが素晴らしい音色を持っていてすごいと思うのだが、やはりピアノというのはその中でも別格というか、究極というか、王様さま的な存在であり、昔からピアノを弾けるというだけでその人を尊敬してしまう自分がいる。左右の手、指が違う動きをするというだけで、私には絶望的な気分になるわけで、さらに足まで使って音色をセーブしたり強調したりと、自由自在に自分の感情まで表現できるピアニストに至っては神々しい存在である。先日、その神々しいピアニストの演奏を再び生で聴くことができた。それも音響効果も抜群の小ホールだったのでアンプラグドのマイクなしで、ピアノの威力を存分に堪能できたコンサートだった。銀座の歯医者さんのBGMとして聴いて以来、大ファンになった「ウォン・ウィンツアン」さんのピアノソロコンサート。私としては今回で3回目だが、ピアノを聞く環境としては一番だったように思う。贅沢なことにグランドピアノ2台を交互に演奏するダブルピアノで楽しめた(ウォンさん自身もコンサートで初めての体験だと話していた)。ウォンさんのすごさはインプロヴィゼーション(即興)であり、瞑想によって自分の心の中にあるその時の感情をそのままピアノで表現する手法で、そのインプロヴィゼーションを聴いていると、ピアノと一体化したウォンさんが自らの魂とのバイブレーションを楽しんでいることが共感できる。ピアノ一台だけで小ホールの400人以上の人の気持ちを一つにできるというのはすごいことで、やはり音楽はライブである。コンサートが終わって、自宅でウォンさんのホームページをチェックしていたら、ウォン・美音志という息子さんがいて、これまたすごい音楽家であることが分かった。13歳から音楽活動を始めたそうで、21歳になるこの息子とジョイント・コンサートを毎年やっているという。すでに親子競演のCD「SEVEN」も発売されている(そのCDジャケットはデザイナーで詩人の奥さんのウォン美枝子さんが担当)。才能というのは確実に遺伝するということなのだろうか? それともその環境により自然と才能は育てられるのだろうか? 親子でインプロヴィゼーションで会話ができるというなんともうらやましい関係である。どうも音楽的な才能はその生活環境が大きく影響するのかもしれない。私が幼少の頃聞いた音楽といえば、酔っ払ったオヤジが勢いで唄っていた「炭鉱節」や「北海盆歌」などで、やはりこれでは音楽的な才能は芽生えるはずもないな。(

 

 

 

 


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