■よりみち〜編集後記

 


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更新日2006/06/15


世の中、世界的にフットボールに夢中という感じのようだが、銀行強盗の「完全犯罪」というのもなかなか熱い話題ではないだろうか(単に、日本の一次リーグ敗退がほぼ決定したことへの“はらいせ”と言えなくもないが…)。あまり期待しないで観に行った『インサイド・マン』(スパイク・リー監督作品)がユニークな映画で驚いた。銀行強盗の完全犯罪を描いた作品なのだが、現金が盗まれない。犯人が一人も逮捕されない。誰も殺さないし誰も殺されない。派手さはないが決してあきさせない。脚本がよいのだと思うのだが、映画のテンポがいい感じで、編集も過去と現在が交差する不思議な感覚で、徐々に意味や理由が分かってくる。ニューヨーク的なシーンが多く、さすがスパイク・リーらしさが随所に出ている。コーヒーショップのシーンや登場するキャストの人種構成などもニューヨークそのもので、人種差別の現状なども皮肉たっぷりに表現されている。たとえば、シーク教徒のインド系アメリカ人が、銀行強盗団の一味を疑われて取り押さえられるシーンでは、顔つきでアラブ人扱いされ(アラブ=テロリストという人種差別が一般化するアメリカの現状が怖い)、シーク教徒の命でもあるターバンを脱がされ、警官に殴られたことを抗議するが、誰もまともに取り合わないのだ。『マルコムX』(1992)『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989) などで黒人への人種差別の問題を正面から描いた作品を制作するスパイク・リーの視点がそこにも出ている。キャスティングも豪華である。デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン、ウィレム・デフォー、そしてジョディ・フォスター(あまり彼女の役がピンとこなかった。ミスキャストのようにも思える)。音楽監督はテレンス・ブランチャード(インドのラップ風のテーマ音楽がイイ感じで、スパイク・リーのお気に入り音楽監督)。脚本はラッセル・ジェウィルス。新人脚本家の彼の書いた一本のシナリオに感銘を受けて映画化されたものらしい。映画の最後のシーンが賛否両論あるかもしれない。あまりにもあっけなく完全犯罪が成立するわけで、あれ、これで終わりなのという肩透かしなのだ。私はこれが続編へのつなぎなのかなと思えるのだが…。ネットで調べてみたが続編の話はないようで、これで完結だとしたら、ちょっと欲求不満だ。是非続編をつくってもらいたい。期待していますよ、スパイクさん!(

 

 

 

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