■よりみち〜編集後記

 


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更新日2007/03/08


パフューム(Perfume)」(トム・ティクヴァ監督作品;パトリック・ジュースキント原作)を観てきた。久しぶりに映画らしい映画を観たという感想だ。いつもの映画がハンバーガー的なファストフードなら、前菜からデザートまでのフレンチのフルコースという感じだ。食後の満腹感が違っている。ただ、この映画の評価は賛否両論だろう。香りという映画としては困難なテーマを扱うだけに、それを際立たせるためにグロテスクなシーンをかなり使っていたり、倫理的(宗教的)にもアブノーマルな感覚を追究しているため、それが生理的に受け入れられない人がいるだろうからだ。劇場には、できるだけ予備知識なしに観たかったので、ほとんど内容も調べずに出かけた。映画の作り方が最初から不思議だった。アメリカ映画っぽいが、ちょっと深さが違うと思った。どこかで観たようなデジャブ的な気分がしていたが、最後のエンディングのタイトルロールでスタッフの名前を見ると、読み慣れない名前ばかりで、英米系でなくどこの国の人?と思ったが、ドイツ人の名前ばかりだと分かって、すべてが氷解した。昔、感動してしばらく立ち上がれなかったドイツ映画の傑作『ブリキの太鼓』(ギュンター・グラス原作;フォルカー・シュレンドルフ監督作品)を観たときと似た衝撃だったのだ。この手の不思議で特殊な才能の人を描かせたらドイツ人には到底かないそうにないかもしれない。殺人者を描いた映画なのに、なぜか殺人者に対してシンパシーを覚えるような演出、そしてクライマックスの大どんでん返し。最後の群集シーンはよくぞここまでやったと映画人の職人根性に拍手を送りたい。音楽はベルリンフィルオーケストラ、衣装も優れている。このようなドイツ映画ばかり見ていたいとは思わないが、時々これぐらいガツンと重くて、深みのある映画に酔いしれたくなるものだ。この映画はドイツ映画史に残る傑作のひとつになることは間違いないように思える。ベルント・アイヒンガー製作のこの映画は、映画化権ではステーブン・スピルバーグやマーチン・スコセージと争ったというが、アイヒンガーが単独で取得。もしスピルバーグ監督が映画化していたらどうなっていただろう。そちらにも興味がある。(

 

 

 


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