のらり 大好評連載中   
 
■よりみち~編集後記

 

更新日2016/01/07


2016年、新年明けましておめでとございます。本年も「のらり」のご購読よろしくお願いいたします。

 札幌は何年ぶりかで正月に雪かきが必要がなかった。私は、横浜での正月だったが、3日に食事で出かけたが、コートが必要ないほどの陽気で、18度まであったようだ。ここまで冬らしくない正月は珍しい。たぶん、大雪が降って帳尻が合うようになっているのだろうが、世界中で起こる異常な現象とリンクした異常気象で、ますます嫌なことが起こりそうな気配がする。

 サウジとイランが宗派対立なのか部族紛争の延長なのか、シーア派の聖職者をアルカイダ系の囚人と一緒に死刑にしてしまい、それに怒ったイラン市民がテヘランのサウジ大使館を襲撃して、サウジがイランとの国交断絶を宣言。今度は、その報復なのか、イエメンの首都サヌアのイラン大使館がサウジの軍用機によって爆撃されたようだ。このまま報復合戦が続けば、またもや戦争が始まってしまう。

 特に、IS(イスラム国)が息を吹き返すことになるかもしれない。イランとサウジの対立をうまく演出して、戦争状態にもっていくのは簡単そうだ。どちらかに成りすまして、自爆テロや小さな襲撃を起せば、すぐに戦争までエスカレートするはずで、元々仲が良くない国同士が、部族や民族的な旗印が上がってしまったら、引くに引けない戦いになることは明らかだ。

 ここでもまたアメリカとロシアの仲介が必要になるのかもしれない。中東においては、隣国同士で解決できる紛争はほとんどないに等しい。今、サウジとイランがいがみ合っていてはISの思う壺であることは誰もが分っていることなのに、このISの問題があるからこそ、その根源的な問題を一挙に解消しようと目論んでいることなのか、どうも中東諸国の考えていることが我々の理解を超えている。結局のところ、中東はどこに向かっているのだろうか、誰にも予測ができないカオスそのものになってきている。

 そして、新年の恒例になっては困るが、北朝鮮の水爆実験成功のニュースである。どうも水爆というのはブラフ(はったり)のようだが、核実験であることは間違いないようで、金正恩はオヤジやジイ様と同じようにパフォーマンス好きの変人であることが分ってきた。唯一の理解者であった中国までもが最近の北朝鮮の動きを危険視しており、あまり金正恩を追い詰めなると逆上する可能性を指摘しており、扱いの難しさを中国はよく理解しているようだ。

 国内に目を戻せば、こちらも政治の動きが不気味だ。安倍自民は憲法改正向けて、この絶好の機会に一気に衆参両院の3分の2議席を確保してしまおうと、すでに選挙対策が動き始めているようだ。増税による弱者救済策として年金受給者に3万円の一時金支給を検討したり、法人税を下げたりと露骨なゴマすり政策で、野党の統一会派を揺さぶろうとしている。それに対抗する野党の第一党は支持率が10%にも満たない民主党で、野党で一致団結してと言ってはいるが、野党の第二党である共産党は抜きで戦うつもりのようで、それでは自公に勝てるわけがない。

 安倍ポチさんを政権から引きずり降ろさなければ、憲法が安倍自民の都合のよいように書き換えられ、アメリカの友軍として世界の紛争地帯に引きずり出されたり、アメリカの属国化はさらに進行し、日本はとんでもない方向に向かってしまうのは間違いないことで、次の選挙で止めない限り、日本に明るい未来はないと思える。日本のリベラリズムの正念場の年になりそうだ。 (越)

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

このコラムの感想を書く



のらり編集部

著者にメールを送る


バックナンバー

■更新予定日:毎週木曜日