物語を創る
旅の中で……
これまで歩いてきた路に
これから歩こうとする路への想いを
重ねあわせながら……
たまたま選んだ
あるいは
これしかないものとして選んだ
一本の線路の上を走る列車の中で
自分だけの物語を創る
そこに託す
遥かな想い、ひそやかな願い
あるいは野望
失くさずにすんだかもしれない何かを
思い出すために…?
もしかしたらこれから得られるかもしれない何かを
未来の記憶のなかに留めるために…?
過ぎ去った時の中の
過去という色に染められた
とぎれとぎれの景色(シーン)のいくつかを
ひとつひとつ繋(つなぎ)合わせて
まだ見ぬ時の中の
未来という光の向こうに
蜃気楼のような形象(イメージ)をつくる
そこから一瞬あふれでた
言葉のような音をたよりに
そこにしかないと思える物語を創る
嘘のような、真実(まこと)のような
あるいは憧憬(ゆめ)のような……