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もちろん人間は古くから
路という名の傷を大地に刻んで生きてきた
人間ばかりではない
トナカイにはトナカイの路があり
狼には狼の路がある
生命を維持する一つのテリトリーを機能させるために
あるいは更に、そこから
もう一つのテリトリーへとつながるために
営々と張り巡らされてきた
獣たちの、そして人間たちの路
とはいえ
いったいどんな獣の路が
これほどまで真一文字に
これほどまで長く
森を貫き河を越えて続くだろうか
どこまでも、どこまでも続く直線がもたらす異和
それは人間という名の動物の奇妙さの顕われ
誰かが紙の上に定規で引いた一本の鉛筆の線が
そのまま大地に刻まれる不気味
視界をさえぎる雲の切れ間からのぞく灰色の雪原
眼を閉じれば
イメージの中の大雪原をトナカイが走る
眼を開ければ
どこまでも延びる一本の道
その直線の上をいまも走るものは
何……?

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