キノコを見つけた。
夜に雨が降った朝に公園の木の根元に姿を現したキノコ。
こんなキノコにもちゃんと名前があるのだろう。
名前も何も知らないけれど、見つければ何となく嬉しい気がするのはなぜだろう。
キノコに毒があるキノコとそうでないキノコがあるのは不思議だ。
同じ毒キノコでも、いかにも毒々しいキノコとそうでもないのがあるのも……
毒々しい色のキノコが、私を食べたら体を壊すよと
全身でそう言っているのだろうということはわかる。
だとしたら食べられそうに見えるキノコの想いは何なのだろう。
どちらにしても、食べられるかどうかは食べてみなければわからない。
そんな命と命の大胆なやり取りが過去にあったからこそできるキノコ狩り。
今では詳細な写真入りの図鑑だってある。
でも図鑑を持たない動物たちは、どうやって知恵を受け継ぐのだろう?