のらり 大好評連載中
2020/10/01掲載

■新・汽車旅日記
~平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第725回「海と里山と海と - 山陰本線 特牛 ~ 長門市 -」
 
特牛駅は海岸から約2.5kmも離れていて、海岸のほうに住む人が多い。海岸側には特牛郵便局があるから、駅名は海岸側の町から取ったと思われる。肥中街道、赤間関街道北浦筋は海沿いで、海側に集落が多かった。しかし線路は街道を逸れて谷間を選んで北へ進み、海沿いの阿川に至る。ATSのチャイムが聞こえる。列車交換可能な駅で、赤信号が出ているという知らせだ。しかしいまは対向列車が来ない。隣のレールは錆びていた。高校生数人と年配の女性がひとり乗ってきた。7時を過ぎたところだ。1日が始まった。列車は海沿いを走っている。相変わらずの曇り空だけど、海の景色も楽しい。ずっと海ばかり、山ばかりでは飽きてしまう。適度に風景を変えてみせるところが山陰本線の魅力かもしれない。人家はないから、それなりに険しく不便な場所だろうとは思う。険しいと言えば長門粟野駅も人に厳しい。島式プラットホーム1面2線の構造だけど、駅舎からプラットホームまで、高い歩道橋を通る。

杉山 淳一

杉山 淳一 ※今週休載です

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2020/10/22掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第406回「流行り歌に寄せて No.206 「港町ブルース」~昭和44年(1969年)」 

以前にも何回か書いたことがあったが、私は小学5年生の3学期に、父親の転勤に伴い、長野県岡谷市から、名古屋市港区に引越しをした。典型的な盆地で、四方を山に囲まれた土地から、港のある海辺の土地に移動したのである。長閑で、友達のたくさんいた落ち着いた環境から、ひと時に、乾いていて荒っぽい人たちの中に放り出された。当時の私は、そう感じた。だから、港と、その周辺の港町の持つ猥雑な雰囲気というものを好きになれなかった。余談だが、上京後、東京と名古屋では、同じ「港区」と名がついても、まったく質の違う場所であることを知り、少なからず驚いたことがある。さて、今回の曲は私が港区に移って2年余り、中学2年生になったばかりで、それほど気乗りがしなかったが、登校拒否というほどまでにはならず、きっと半ば諦めながら日々に折り合いをつけていた頃の流行り歌である。森進一も『女のためいき』で鮮烈な印象でデビューしてから約2年が経過しており、吉川静夫、猪俣公章…

金井 和宏

金井 和宏  
   
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2020/10/29掲載

■イビサ物語
~ロスモリーノスの夕陽カフェにて
 
第141回「ハイアットさん家族 その4」
up
アドリアナの家は、イビサの古い農家だった。外国人やカタラン(catalan;カタルーニャ州に居住する人)が懸命に捜し求めているカンポ(田舎、森)にあるフィンカ(農家、別荘)だった。彼女が車を乗り入れると雑種の中型犬が飛び出してきて、シッポが千切れるほど振り、喜びを表した。私は犬にモテル傾向があり、およそどんな犬でもすぐに懐く。彼女の犬もすぐに私に懐いた。そこへ、陽に焼けた、ガッシリとした体格の青年が現れたのだ。アドリアナは、「私の彼よ」と紹介してくれたが、私は呆然としていたのだろう、名前は覚えていない。彼の方が、「この前、サリーナスで見かけたよな」と言うのだ。裸のアドリアナが挨拶しに、歩み寄ってきた時、彼はアドリアナと一緒にサリーナスにいたのだ。なんでも彼はオーストラリア人のプロダイバーで、イビサでダイビング・スクール、ツアーを企画したらしいが、「ここの海はどうしようもない砂漠だ。上から眺めるだけの海で、グレート・バーリア・リーフ、ポリネシアの島々とは比較に…

佐野 草介

佐野 草介 

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2020/10/29掲載

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第681回「選挙権は誰のものですか?」
up
アメリカの大統領選挙が近づいてきました。それに伴い、私たち宛ての私書箱にごっそり選挙運動のジャンクメールが入ってくるようになり、電話攻勢も盛んになり、かかってくる電話の大半が選挙がらみのものになりました。アメリカの大統領選挙は“最大多数の最大幸福”ではなく、州ごとに割り当てられた選挙人を選び、その選挙人が大統領に投票するという、およそ複雑怪奇な前時代的なやり方で、その選挙人の数を誰がどう決めるか、どうにもすっきりしません。スパッと人口10万人に対して一人の選挙人を割り当てる、というような合理性もなく、最近の選挙でも、獲得した投票数が多いのに選挙人獲得数で及ばず、大統領になれなかった例が2件あります。アル・ゴアとヒラリー・クリントンです。どうにも、アメリカの大統領選挙のやり方を理解するのは、アメリカ人にとっても不可能に近く、外国人には中国の経済、億万長者続出と共産主義の関係を説明する、もしくはできないのと同じように、頭から、ムリ、ムリなのです。アメリカの選挙の特徴は、ハデハデしいお祭り騒ぎ…

グレース・ジョイ

Grace Joy  
(グレース・ジョイ)
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2020/10/15掲載

■明日の大人たちのためのお話  
第4回「ツバメのツバクロ」 ※新連載 
ツバクロは、卵からかえったばかりのツバメの子どもです。ツバメは春になると、南の国からわたしたちの家のちかくにやって、お父さんツバメとお母さんツバメが力をあわせて、子どもを育てるための巣をつくります。巣はだいたい、にんげんの家のやねの下のかべぎわとか、やねをささえているしっかりした木の上とかにつくります。にんげんの家につくるのは、そうすればカラスなどが人間をこわがって巣のあるところにちかよってこないからです。にんげんもツバメがイネややさいを食べる虫をたくさんとって食べてくれることを知っているので、ツバメが家のやねの下に巣をつくってもおいはらったりしません。ツバメとにんげんは友だちなのです。ツバメはそのことを知っているので、にんげんの近くに巣をつくるのです。かしこいですね。お父さんツバメとお母さんツバメは力をあわせて、田んぼの土とか、わらとか、かれた草の葉っぱとかを集めてきて、それを少しづつ口の中でつばとまぜあわせて巣をつくります。ツバメのつばはネバネバしていますから、まぜあわせるとのりのようになって、木やかべにピタッと…

elia

谷口 江里也 ※今週休載します

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2020/10/29掲載

■よりみち~編集後記  up 
10月29日までの新型コロナウイルスの各国別感染者数(死者数)の推移をまとめました。

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※欧州第二波、イギリス夜間外出制限とエリア制限。ドイツ小規模ロックダウン検討。フランスは二度目のロックダウンを宣言。日本も各地で急増中。北海道は警戒ステージを2に引き上げました。アメリカ大統領選が心配される。

よりみち

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