■新・汽車旅日記 ~平成ニッポン、いい日々旅立ち 第750回「京阪電鉄完乗 旅の終わりは禅寺へ - 男山ケーブル 京都市営地下鉄烏丸線 -」京阪電鉄は本線と中之島線、交野線、宇治線、京津線、石山坂本線という支線群を運行しており、営業キロの合計は90.7kmになる。交野線に乗り終えたから、これで京阪電鉄の鉄道線にはすべて乗車した。しかし京阪電鉄全線ではない。鋼索線、通称男山ケーブル線が残っている。私は枚方市駅から京都へ戻る準急に乗った。少し古そうな顔つきの電車で、先頭車の車体番号は2466とある。2400系は1969年から1970年にかけて作られた電車だ。なんと半世紀も現役で本線を走っている。1967年生まれの私は、「お互い頑張っているな」と共感する。男山ケーブルは京阪本線の八幡市駅が最寄りだ。準急で行くけれども、この区間は各駅に停まる。枚方市駅から五つ目が八幡市駅である。駅舎は淀屋橋方面のプラットホーム側にあるから、京都方面ホームで降りた私は地下通路を通って淀屋橋方面プラットホームに出た。改札口を出て右を向くと「男山ケーブル」の看板が見えた。
杉山 淳一 バックナンバー
2025/11/06掲載
■店主の分け前 ~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第515回「流行り歌に寄せて No.310「同棲時代」~昭和48年(1973年)2月21日リリース」 リリースの日付では、前回よりもさらに前に戻ってしまった。実は、この曲については候補には上がっていたのだったが、書こうかどうか躊躇していた。この曲の元となった、上村一夫の漫画『同棲時代』を、以前からずっと読もうと思っていたが、未だ実行できていない。曲の背景を知らずに書くことはどんなものだろうと考えていたのだ。けれども、これを書かない限り、大信田礼子という人の作品はこの後出て来ないだろうし、もう一つ、この曲のナレーションに何か惹かれるところがあって、やはり書いてみたいと思ったのである。大信田礼子にとっては、これが6枚目のシングル曲である。昭和45年の8月に『女の学校』でデビュー。その後も『女はそれをがまんできない』『ノックは無用』『何がどうしてこうなった』など、なかにし礼、阿久悠らによる色気のある詞の曲が続く。 それは、同時期に女優として「不良番長シリーズ」「ずべ公番長シリーズ」などの東映…
金井 和宏 バックナンバー
■西部夜話 ~酒場サルーンと女性たち 第16回「酒場サルーンと女性たち その16」 ■ビッグ・ノーズ・ケイト その1 もちろんビッグ・ノーズはあだ名で、本名はメリー・キャサリン・ホロニーという立派なものだ。だが、誰も本名などで呼ばないのは西部の慣わしだ。ケイト・エルダー、ケイト・フィシャー、メリー・カミングス・ハロニーなどの自称、他称よりも、ビッグ・ノーズ・ケイトとして知られていた女傑の娼婦だ。生まれは旧ハンガリー王国で、1849年11月7日とはっきりしている。と言うのは、ケイトは中産階級の出で、父親がハンガリーで尊敬されていた医者であり、また医療関係の優れた教育者であったから記録がハッキリしている。1860年に、ホロニー博士は家族を引き連れアメリカに移住した。ケイト10歳の時だ。場所はアイオア州のデヴァンポートで、そこにはドイツ系入植者が数多く住んでいた。ハンガリー人の中高層はドイツ語をよく話した。ホロニー医師が入植地のデヴァンポートで信頼され、安定した生活を営んでいたと思われるのだが、どんな理由からか…
佐野 草介
バックナンバー
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から 第923回「報道に忖度はいらない」 この至って私的なツブヤキ程度のコラムでは、できるだけ身近なテーマ、アメリカ的なトピックスを取り上げることにしています。でも、もうこれ以上放っておくことができない危機感を抱き、柄にもなく主義主張をタップリ含んだコメントを書かずにいられなくなりました。もともと、マスコミというのは権力に弱い企業です。有名な例えですが、エルバ島に流刑されていたナポレオンが1815年に島を脱出した時、パリの新聞は「凶悪な食人鬼、巣窟を脱出」と書き、フランス本土に上陸した時に「コルシカの鬼、ジュアン湾に上陸」。そして、次第にパリに近づき、「トラ、グルノーブルで一泊」、それから「暴君、首都に60キロに迫る」「皇帝 フォンテンブローに入る」、そしてパリに入場した時には「皇帝陛下、チェイリル宮にご帰還」と、マスコミが書いたという逸話があり、マスコミは常に政治的権力に弱い、左右されるのが宿命だという例えになっています。そりゃ、確かにそんな側面はあるでしょう。アメリカの…
Grace Joy(グレース・ジョイ) バックナンバー
■鐘を鳴らそう 鳴らせば鳴る鐘が、まだあるのだから ~音羽信の心に触れた歌たち~ 第12回「ファスト・カー by トレーシー・チャップマン」 当たり前だけど、人は誰だって、親や場所を選んで生まれたりできない。みんな同じように裸で生まれてくるけど、生まれたその瞬間に、できることなら、あったかい部屋で綺麗な産着に包まれて柔らかなベッドに寝かしてほしい、なんて言えるわけもない。暖かろうが寒かろうが、清潔だろうが不潔だろうが、寝かされた場所が、要するに、その子の居場所。そしてそこから、自分と社会との闘いが始まる。そんなわけで、貧富の差の激しいアメリカで、黒人の女の子として生まれてきた子が、テレビのホームドラマに出てくるような白い大きな家で、優しい両親に可愛がられて、フリルのついた服を着て緑いっぱいの学校に行ける確率は、かなり低い。トレーシー・チャップマンが、一人でギターを抱えて、淡々と、素っ気ない表情で『fast car』を歌うのを初めて見たとき、私は一瞬、不意をつかれたような気がした。彼女が自分自身の人生をそのまま歌っているように見えた。
音羽 信
■よりみち~編集後記 ついに日本で最初の女性首相が誕生した…と、本来であればお祝いメッセージと女性の躍進を称えるべきところなのだが、正直なところ、今の気持ちを一言で表すと「気持ち悪い」のだ。この高市政権の気持ち悪さはどうも私だけではないようで、自民党との連立政権を26年間も続けてきた公明党も一致団結して、安倍元首相を敬愛する極右の高市早苗自民党新総裁に対して、早々に連立解消を宣言してしまった。これは気持ち悪いだけでなく、このヒトの片棒を担ぐのは御免被りたいという危機意識からだろう。それほど、このヒトがやろうとしていることが危険なのかを察知しており、日本が危機的な状況となることに警鐘を鳴らしていると思える。そして、あのトランプ来日からソウルで開催されたAPEC2025での高市首相のハシャギ様である。日本初の女性首相ということで注目されており、どんな外交手腕を使うのかと思いきや、オベンチャラとヨイショと媚びを売るという、こんなにもトランプさんや他国の首相にデレデレとしな垂れかかりハシャギまくる女性首相は観たことがない。そして最も驚いたのが…
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