のらり 大好評連載中
2021/08/05掲載

■新・汽車旅日記
~平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第733回「展望車行ったり来たり - SLやまぐち号 徳佐~新山口 -」
 
徳佐駅に停まる前に通ったトンネルが島根県と山口県の県境だった。ここは山口県の谷間である。線路の両側から山が近づき、また離れていく。地図を見ると、この谷は阿武川が刻んだようだ。このまま新山口まで並ぶかと思ったら、長門峡駅付近で北に向かい、東萩で日本海に注ぐ。途中には阿武川ダムの大きな湖もある。中国地方の尾根は入り組んでいる。川の流れも予想外だ。さて、グリーン車の空席を見つけて「移席」できて良かったけれど、4人席の通路側で他人との相席は少し居心地が悪い。せめて窓際だったら景色に集中できる。しかし通路側から窓を見ると、左右のどちらも相席が視界に入る。社交的な人ばかりなら会話も盛り上がるし、盛り上げる自信もある。しかし、おしゃべりに夢中になると景色を眺める暇がない。すこし車内を見聞してこよう。前方はゴリラさんが座っているから、自然と足は後方へ向かう。4人グループと家族連れで賑わっている。

杉山 淳一

杉山 淳一 ※只今休載中です

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2021/12/02掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第434回「流行り歌に寄せて No.234 「京都の恋」~昭和45年(1970年)」 up
京都を訪れたことは、今まで5回ほどしかない。日本人の回数の平均というものがあるかどうかはわからないが、やはり少ない方だと思う。最初は小学校の修学旅行。次は20歳過ぎのジャズ喫茶廻り、20歳代中頃の拙い日帰りデート、20歳代後期の仕事での出張、30歳代後期の社内の有志での旅行である。出張の時に泊まらせていただいた大先輩のご自宅は、まさにうなぎの寝床のごとく、縦長に6、7部屋が続いていた。途中、家を横切って流れる細い小川を越えながら、一番奥の書庫に至る。書庫には夥しい数の書物が並んでいた。彼は京大文学部出身の歴史研究家であった。考えてみれば、わたしはを40歳を越えてからは京都を訪れていない。あまり行きたいという気持ちになれないのは、やはり京都に住む方々の矜恃のようなものに気後れしてしまい、何となく面倒になっているのだろう。但し、この後生涯を通して取り組みたい、自分なりの小さな作業には、彼の地が…

金井 和宏

金井 和宏  
   
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2021/12/02掲載

■音楽知らずのバッハ詣で
第6回「ライプツィヒという町 その5」
up
現在、ライプツィヒの町は人口60万人を越す大都会に成長した。バッハがこの町に棲み始めた頃の人口は3万人程度だから、長い年月を経て順調に発展してきたと言っていいだろうか。今では、ザクセン州の首都ドレスデンを抜いて、州第一の都市になっている。ライプツィヒの人口が最高潮に達したのは1931年のことで、72万人にまで増えている。これは、ナポレオン戦争以降、商業都市から工業都市へと発展して行ったからだろう。ナチス時代、そして40年に及ぶ共産主義国家の経済統制の期間も一時期停滞しはしたが、ライプツィヒは生き延びてきた。そういえば、大戦後、1949年に東ドイツ共産主義国家の初代の国家元首になったヴァルター・ウルブチヒトもライプツィヒ出身ではなかったか。共産主義国家の時代、ライプツィヒは東ベルリンに次ぐ第二都市だった。理想に走りがちな共産主義国家にあり、現実を踏まえた経済感覚をもって工業、商業をつかさどってきたライプツィヒを新生東ドイツは必要としていたのではないかと思う。見本市の代名詞のように…

佐野 草介

佐野 草介 

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2021/12/02掲載

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第735回「巨大産業 痩せ屋 その2」
up
この”Weight Watcher”プログラムに、私の母も会員になり参加していました。母は決して超デブではありませんでしたが、太り始めていました。中年太りだったのでしょう。少しばかり責任のある地位に就き、人前に出ることが多くなり、エリザベート皇紀ほどではないしろ、人目を気にし出したのです。”Weight Watcher”は町の中のショッピングモールなどに、小さな診療所のようなお店を設け、一人ひとりと面談し、その個人に合った無理のない減量プログラムを作り…と言っても何十、何百かのケースのプログラム・パターンはすでに作成済みなのでしょうけど、会員になると、週1回程度のコンサルティングやアドバイスを受けることができるのです。他の痩せ産業と違うところは、道具、器具、サプリを売りっぱなしにしないところでしょうか。アメリカ全土に何千、否、何万を越す”Weight Watcher”の出店があります。どこで儲けているのかと覗き見的興味で、2、3度母に付いて行ったことがあります。対応した減量コンサルタントは、元超デブだったけど、今は中肉になった中年女性で、もちろん”Weight Watcher”で減量に成功した人です。それなりのトレーニングを受けているのでしょう、とても親身になって相談に乗ってくれるのです。

グレース・ジョイ

Grace Joy(グレース・ジョイ)

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2021/12/02掲載

■ジャック・カロを知っていますか?
~バロックの時代に銅版画のあらゆる可能性を展開した天才版画家とその作品を巡る随想
 
第17回「トスカーナの暮らし」 up 
カロは『聖地巡礼報告書』を制作した1619年から1620年にかけて、その対極にあるような作品を2点制作しています。『大狩猟』と『インプルネータの市』です。どちらも大きな版画で、前者は198×467mm、後者はさらに大きくて436×678mm、銅版画としては極限的なサイズです。カロの才能と技量と情熱と表現力を総動員したかのようなこの二つの作品は、その頃、結核が悪化して病床に臥せっていたコジモ二世に捧げられています。『大狩猟』は王侯貴族たちの一番の楽しみである狩猟を、『インプルネータの市』はお祭りの日に催される大掛かりな市という庶民にとっての楽しみを描いたものです。16回で紹介した『聖地巡礼報告書』は、病床にあって聖地を訪れることなど到底できないコジモ二世に代わって、僧侶のベルナルディーノ・アミコ・デ・ガリポリがはるばる聖地を訪れ、重要な聖地をつぶさに巡って調査し、聖地や教会などの聖蹟を詳細に描き記した報告書を、カロが忠実に版画化したものでした。そこには、それによって巡礼を大公に追体験してもらうことで病から回復してもらうことを祈願するという気持ちが強く働いていたでしょう。それはもちろん大公の願いでもあったでしょうけれども、同時に、篤い宗教心を持つ…

elia

谷口 江里也 

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2021/12/02掲載

■よりみち~編集後記 up 
12月2日までの新型コロナウイルスの各国別感染者数(死者数)の推移をまとめました。
Covid19_120221_s
日本のコロナ感染は全国的に収束に向かっており、1日平均感染者数で96.7人、死亡者数で1.3人まで減少しています。しかし、隣国の韓国では、感染者数が1日5,000人のワースト記録を更新中で、死亡者数も1日平均42.4人と激増。また、南アのオミクロン株の世界拡散も心配されています。

よりみち

「のらり」編集部

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